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サバイバル日本語学習教材「NIHONGO FUN&EASY」|ゼロ初級者向け・教え方のポイントなど

サバイバル日本語学習教材「NIHONGO FUN&EASY」|ゼロ初級者向け・教え方のポイントなど
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イタリアで日本語教師をしていると、割とヨーロッパの方に教える機会が多く、中には、初めて日本語を勉強するという方もいます。

アジア圏と比べると、やはり日本語を聞きなれていない方が多く、学習スピードは少しゆっくりになる傾向です。

もちろん、日本語の文字(ひらがな・カタカナ等)を読めない人もおり、そういった方にも今まで日本語のレッスンをしてきました。

色々とサバイバル日本語の教材を探していて、個人的におすすめな物が「NIHONGO FUN&EASY」という教科書です。

全てにローマ字や英訳がありますので、ゼロ初級者でも英語が分かる方であれば、取り掛かりやすいです。

そこで今回は、サバイバル日本語教材「NIHONGO FUN&EASY」についてご紹介します。

【こんな人に読んでもらいたい】

ゼロ初級者に教えたい人

サバイバル日本語教材を知りたい人

NIHONGO Fun&Easyについて知りたい人

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NIHONGO Fun and Easyについて

このテキストは、全12ユニットから構成されている場面シラバスのテキストになります。

日本語の文字が読めない人でも、日本語のフレーズを勉強できるように構成されています。

全てのユニットでローマ字と英訳があります。文法自体はほぼ教えませんが、サバイバルのテキストとしては、とてもいいです。

  1. 場面シラバス
  2. 日本語の文字が読めなくてもOK
  3. ローマ字と英訳あり

おすすめの使い方

NIHONGO FUN&EASY使用中は、学習者にひらがな&カタカナを覚えてもらう練習を平行すると良いです。

この教科書が終わるまでに文字が完璧になる人は少ないですが、それでも、文字が全然読めないと、その後日本語学習を続けていくのは、教科書選定など限られてしまいます。

文字学習は、学習者に応じて工夫しましょう。

  1. 予習メインで、レッスン中は確認のみ
  2. 授業中に一緒に学ぶ
  3. フラッシュカードを使用する

など、方法は色々ありますので、学習者さんの様子を見ながら進めていくと良いです。

ただし、対象が大人の場合、あまり文字学習をレッスン中にすると、子ども扱いされていると思われてしまう可能性がありますので、レッスン中で扱う際は、あまり長くしない方がいいです。

NIHONGO Fun and Easy のユニット内容

全12ユニットあり、それぞれのユニット内容は下記のとおりです。

ユニット 内容
Unit 1 / I am John. Introducing yourself 自己紹介
Unit 2 / Is there an ATM around here? Asking for directions   場所を尋ねる
Unit 3 / How much is this? Shopping 買い物
Unit 4 / Take out, please. Convenience stores and restaurants コンビニ・レストラン
Unit 5 / Can I pay by credit card? Asking permission 許可を得る
Unit 6 / Please wait a moment Making requests 依頼する
Unit 7 / Does this (train) go to Yokohama? Transportation 交通
Unit 8 / I’m going to an art museum. Talking about plans and activities 予定や行動について話す
Unit 9 / How do you like living in Japan? Talking about impressions 感想を言う
Unit 10 / What does that taste like? Eating 食事
Unit 11 / It’s nice weather today, isn’t it? Socializing 1 – Making small talk 世間話をする
Unit 12 / Would you like to have a cup of tea? Socializing 2 – Invitations 誘う

この教科書は文法積み上げではないので、必ずしもユニット1からする必要もありません。もし学習者が別のユニットから始めたいとの要望が合ったら、そこから始めても大丈夫です。

内容を見て頂けば分かる通り、全てのユニットでトピックがありますが、トピックは全体的に観光する時や、来日間もない人向けの様な内容になっています。

【ユニットの大まかな構成】

  1. 1ユニットで2or3フレーズを学ぶ
  2. 1フレーズごとに、5~10個程度の単語を学ぶ
  3. 短い会話文がある
  4. ユニット全体のダイアログ&リスニング

NIHONGO Fun and Easy の教え方

このテキストは、文字が読めない人、日本語を始めて勉強する人が対象です。

また、文法積み上げではないので、何か文法事項を覚えてもらうほとんど必要はありません。

このテキストを使っている間の一番の目標は、日本語の音に慣れる事です。

レッスン中は、フレーズや単語をリピート、フラッシュカードなどで単語を覚えてもうといった事がメインになります。

短期記憶が良い人の方がレッスン中の進みは早いかもしれません。

たくさん口を動かして練習し、レッスンの最後には、今日のフレーズ&単語を全て覚えてもらえるとより良いです。

ただ、これは理想ですので、実際に完璧できなくてもOKです。

1つでも、今日勉強したことが身に付いていればOKとするスタンスで教えていきます。

  1. 日本語の音に慣れてもらう
  2. たくさん口を動かしてもらう
  3. 完璧じゃなOK

フレーズごとの会話練習方法例

各フレーズごとに、短い会話練習がついています。

【会話練習の例】

  1. 先生が読む(CDを聞く)
  2. リピートする
  3. ペアで練習
  4. 少しずつ見ないで言う練習
  5. (発表)

見ないで言えるようになるのは、結構ハードルが高いので、見てもいいのでスムーズに言えるようになればOKです。

クラスの人数に応じて、練習方法を変えていくといいです。

ダイアログの練習方法例

ユニットのまとめとして、ダイアログがあります。

ダイアログでは、そのユニットで習ったフレーズや単語が盛り込まれた、少し長めの会話となっています。

少し長めなので覚えなくてもいいと思いますが、できるだけつっかえないように、スムーズなスピードで言えるようになるのが目標です。

【ダイアログの練習の例】

  1. 先生が読む(CDを聞く)
  2. 語彙or文の意味確認
  3. リピートする
  4. ペアで練習
  5. (発表)

注意点としては、ダイアログには、時々新しい言葉があります。

始める前に、意味の確認をしてから進めるとスムーズです。

リスニングの練習方法例

ユニットの最後にリスニングがあります。

リスニングはCDがテキストについており(オーディオダウンロード可能です)、それを使ってリスニングを行いますが、リスニングは多速いです。

学習者によっては全然ついて来れない人がいますので、その際は、臨機応変に先生が読むようにするなどの対応を取ってみてください。

それでも難しい場合は、リスニング自体をしなくてもいいと思います。

ただ、よくできる方にとっては、良い機会で、速くて難しいけどできた!という喜びを与えられるチャンスにもなると思います。

NIHONGO FUN & EASY Ⅱについて

実は、NIHONGO FUN & EASY IIがあります。

こちらのテキストは日本語のみで、ローマ字のふりがなはありません。

英訳はついています。

こちらも、文法積み上げではありませんが、ます形からの形の変換を勉強することになります。動詞のグループ分けも最初に勉強します。

全14ユニットから構成されており、それぞれ各ユニットの形を使った2~5のフレーズを勉強します。

こちらも、各フレーズごと、新出単語が6~10程度あり、フレーズの一か所をその単語に入れ替えて、たくさん発言する、単語を覚える事が目標になります。

例えば、ユニット1で辞書形を勉強したから、ユニット2でその辞書形を使ったフレーズが復習として出てくるか、と言われるとそうではありません。

あくまでも、1回完結型だと思っていただければと思います。

NIHONGO Fun and Easy Ⅱのユニット内容

こちらは全14ユニットあり、それぞれのユニットで学ぶ動詞の形がトピックになっています。8つの活用形と55の基本文型をマスターできるようになっています。全ユニットの最後にリスニングがあります。

ユニット 内容
Unit 1 辞書形を使った表現(3フレーズ)
Unit 2 ます形を使った表現(4フレーズ)
Unit 3 て形を使った表現①(4フレーズ)
Unit 4 て形を使った表現②(4フレーズ)
Unit 5 た形を使った表現(4フレーズ)
Unit 6 ない形を使った表現(4フレーズ)
Unit 7 普通形を使った表現(non past 3フレーズ/past 3フレーズ)
Unit 8 形容詞を使った表現(5フレーズ)
Unit 9 可能動詞を使った表現(3フレーズ)
Unit 10 普通形を使った表現②(5フレーズ)
Unit 11 て形を使った表現(4フレーズ)
Unit 12 条件形を使った表現(3フレーズ)
Unit 13 授受表現(4フレーズ)
Unit 14 意向形を使った表現(2フレーズ)

Fun and easyよりは、少し文法に重視がおかれ、毎回新しい形とフレーズを使って短い会話練習と自由会話をします。

自由会話もトピックをが載っていますので、それに沿って行ってOKだと思います。

Fun and easyⅡでは、ローマ字表記はありませんので、ひらがな&カタカナは読めることが前提になります。

動詞の形をまだ勉強したことがない人でも、このテキストを使うことは可能です。

また、動詞の形を勉強したことがある人でも、その形を使って話せるフレーズを増やすのには良いテキストだと思います。

「みんなの日本語」のように、前のユニットで勉強したことが次のユニットで活かせるわけではありませんが、動詞の形を勉強し、それを使って話せるフレーズを増やしたい人には、ピッタリだと思います。Amazonで購入

おすすめの無料サバイバル日本語教材

東京都教育委員会のHP上にある「たのしいがっこう」は、無料で誰でも利用でき、かつ24か国語に対応しています。

児童向け学習教材であるため、内容は学校に関する事が多いため、大人にレッスンをする際は、全てを利用できるわけでないですが、一部利用できる所もあります。

オンライン上で誰でも無料で利用できるため、レッスンに取り入れてみたり、学習者に無料教材として紹介してみても良いと思います。

東京都教育委員会「たのしいがっこう

まとめ

今回は、日本語ゼロ初級者向けのサバイバル日本語教材「NIHONGO Fun&Easy」を紹介しました。

ゼロ初級者に教えるのは、文法も難しくなく、一見簡単そうに見えるかもしれませんが、継続してもうのが大変なんです。

ひらがな・カタカナ・漢字など、文字をたくさん覚えなければいないという所で、ギブアップしてしまう人もいます。

少しでも長く継続し日本語を楽しいと思ってもらえるように、レッスンを考える必要があります。

ゼロ初級でのレッスンはとても重要で、ここを乗り切れば、その後も継続してくれる確率は高くなると感じています。

少しぐらい間違っていても、発音がきれいではなくても、「できた」という成功経験をたくさん設けてあげれると◎です。

どちらもAmazonから購入することができます。

気になる方は、チェックしてみて下さい。


NIHONGO FUN&EASY

NIHONGO FUN & EASY II