日本語教師になりたい方の中には、海外で働きたいと考えている方もいますよね。
日本語学習者が多い、アジア圏での求人は度々見かけます。
でも、実際の所どうなのか、気になりますよね。
そこで今回は、アジア2か国で日本語教師経験のある先生にお話を聞きました。
求人はどこで見つけたの?
日本語教師の求人を探す方法は色々ありますが、ヒロ先生は、日本語教師の集い、養成講座にある求人、恩師からの紹介などで見つけられたそうです。
通われている日本語教師養成講座の学校によっては、求人紹介をしてくれる学校もあります。
応募条件は?
求人に詳しく条件は記載されていますが、ヒロ先生が教えてくれたのは「大卒以上が必須」という点です。
これは、恐らく就労ビザ取得のために必要条件となるのだと思います。
そのため、日本では、高卒で日本語教育能力検定試験に合格されて日本語教師をされている方もいると思いますが、大卒以上でなければ難しい可能性があるようです。
私は過去に高卒でも20年以上など、かなり長い日本語教師歴をお持ちの方は、応募できるといった様な内容の求人を見た事があります。
求人によっては、高卒でも一定条件をクリアしていれば応募可能な場合もあるのだと思います。
未経験でOKという海外求人は少ないのかな、という印象です。少しでも日本語教師として経験があった方が有利になります。
国によって条件は異なりますが、ある国では、日本語教師1年以上していないと、日本語教師として就労ビザを取得できないといった事があるようです。
「海外で働く=就労ビザが必要」ですので、日本の求人の条件よりも多少厳しくなる場合があります。
行く国によっても、条件が異なりますので、事前に確認しておくと◎です。
語学力は必要?
海外で働くとなると、語学力の有無は気になる所ですよね。
ヒロ先生によると「語学力は、不要です」との事です。
日本語教師なので日本語が話せればもちろんOKですからね。
採用に関して語学力は問われないのかもしれませんが、実際、現地に行って生活を始めた際、日本語以外全くできないと、日常生活に支障が出てくる可能性はあると思います。
スーパーや病院で言葉が通じない、などの問題が生じると思いますので、採用時点では語学力が無くても、現地行ったら、現地の国の言葉を勉強できたらした方がいいのかな?と感じます。
面接はどうやってしたの?
現地校との面接のため、ヒロ先生はzoomでオンライン面接をされたそうです。
日本語教師の面接では、模擬授業をする機会が多いと思いますが、海外の求人では、模擬授業がない事が多いんだそうです。
①書類選考②面接である事が多いので、「模擬授業が苦手だな…」と感じている方には、実はおすすめです。
「海外の求人=100%模擬授業がない」という事ではありません。
私は過去にヨーロッパ圏の日本語学校を受けましたが、その際は模擬授業はありました。
会社や学校によって対応は異なりますので、応募の際にご確認ください。
ビザ取得について
海外で働くには、日本国籍をお持ちの方であれば、どの国であれ就労ビザが必要になります。
ヒロ先生は、就労ビザ取得まで2か月半かかったとの事です。
ビザ取得に関する事は全て会社(学校)側が行ってくれるので、何か不安に感じる必要はなかったとの事です。
2か月半と聞いて、長いと感じますでしょうか。
私の感覚では、これは普通もしくは早い方だと感じます。
ビザ取得方法は、国によっては異なりますが、①自分が日本に居て申請をする場合と、②自分が当該国に居て申請をする場合があります。
①と②どちらもOKの国と、①のみOKの国とあります。
会社が対応をしてくれると思いますが、①②どちらでもOKの国であれば、どちらの方が早く取得できるのか、確認してみてもいいかもですね。
現地の日本人教師の方の割合
現在、ヒロ先生は、インドネシアの日本語塾で働いており、そこでは、日本人の先生も現地の先生もどちらもいますが、日本人の割合は凄く少ないとの事です。
海外だと、日本人の先生は貴重なのかもしれませんね。
ヒロ先生は、現地の先生のマネジメント業務も行っているんだそうです。
どんな教科書を使ってるの?
海外の日本語学校(日本語スクール)って、どんな教科書使ってるのか、興味ありますよね。
ヒロ先生が現在使われているのは、「できる日本語、TRYN5~N1、まるごと、日本語敬語、介護日本語1年生」などの教科書だそうです。
敬語や介護に関して勉強されている方もいるんですね。
使用する教科書は、その国や場所でどのような目的で日本語を勉強しているかによって変わってきます。
特に、介護に関する日本語は、アジア圏ならではだと感じます。
私は、ヨーロッパの方メインに教えていますが、介護に関する日本語を学びたい人には、今まで出会った事がありません。
日本語教師の先生ご自身が、どのような分野の日本語を教えたいのかで、対象国が変わってきますね。
勤務形態について
現在、ヒロ先生はシフト制(完全週休二日制)で勤務されているとの事です。
面接時などにでも、1日の所定労働時間、残業や休日出勤の頻度、年次有給休暇など、確認するようにしましょう。
現地にある会社(学校)なので、現地の法律に従っていると思います。そのため、日本とは異なる可能性があります。
勤務を始めてから、トラブルにならないように事前チェックが重要です。
実は、ヒロ先生、ご自身が過去に痛い目にあってしまったんです。
最低賃金は事前に把握しましょう。
正社員でも授業時間のみの給料で、事務時間は一切支払われないという事があったんだそうです。
正社員でも、時給の場合は、より注意が必要かもですね。
給料について
ヒロ先生に、ぶっちゃけ今のお給料はどんな感じなのか聞いちゃいました。
今の給料は、毎日外食しても貯金ができる感じなんだそうです。
もちろん、日本との物価の違いはあるものの、これは良いですね!
ヒロ先生はこんな事もおっしゃっていました。
普通に辛ラーメンが食べれる人じゃないと、辛すぎて食事が合わないかも⁈
食が合わないのは、ストレスの原因の一つになりますよね。
私も以前イギリスに住んでいた時、同じような経験があります。
(イギリス料理って…ね?苦笑)
海外に居ると、ただでさえ孤独で寂しく気分が上がらないのに、食べ物までも合わないと結構メンタル落ちると思いますので、辛い物が苦手な方は、十分にご検討ください。
その他のサポート
まず、現地の家の手配ですが、ヒロ先生が勤務されている所では、家を手配してくれたそうです。
全く土地勘のない所で、自分で家を見つけるのは大変だと思いますので、会社や学校が手配、もしくはサポートしてくれるかどうかを面接時に聞いておきましょう。
また、日本への帰国手当についてですが、ヒロ先生が勤務されている所では、特段そいう言った手当はないとの事です。
ただ、一部海外求人では、「年に1回分の日本への帰国手当あり」という事もあります。
行く先の国や会社(学校)によって異なると思いますので、この点も面接時に聞いておけるといいかもしれませんね。
どんな人が向いている?
ヒロ先生によると下記の4点が重要だそうです。
- 辛い料理OKな人
- 不衛生でもOKな人
- 目的と手段をはき違えていない人
- いつでも帰国できる覚悟がある人
ちょっと厳しい様にも感じるかもしれませんが、アジア圏2か国を見てきたヒロ先生からの言葉ですので、これがリアルな状況なのだと思います。
日本語教師とは限らず、「海外に行きたい」と思っている方の中には、良い点ばかりを見て、現地に行ってから現実を知り、落胆する人はいます。
今まで何人も同じような人を見て来ました。
私は約10年海外で生活をしていますが、大変な事や辛い事の方が多いです。
渡航前に、現地の国の事や文化などを調べたりしておけると良いかもですね。
最後に…
最後に、ヒロ先生はこんな事も教えてくれました。
現地の人は日本語を教えるのは上手ですので、日本人しか知らない事、または、和芸(日本料理/書道など)の趣味や特技を披露できたらより◎
「日本語教師プラスα」があると、より必要とされる人材になれるのでしょうね。
私は、特に素晴らしい芸は身に付けていませんが、折り紙が好きで、イベント時に学習者さんと折り紙をした事あります。
何もなくても、例えば、学習者さんの名前に漢字を付けてあげる、なんて事も、割と喜ばれるのかなと思います。
人よりちょっとだけ上手な事や自分が好きな日本の事があれば、それを伝えられる様にしておくのも良い事ですよね。
今回は、アジア2か国で日本語教師を経験された(現在も)ヒロ先生にお話を伺いました。
何か質問等ありましたら、インスタにて連絡してみて下さい。
アカウントはこちら@nihongohiro
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