日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第4課の学習事項
初級日本語げんき第4課の学習項目は下記の通りです。
- Xがあります/います
- 位置詞
- 名詞(過去形)
- 動詞(過去形)
- 助詞「も」
- ~時間
- たくさん/と
第4課では、過去形の表現を学ぶので、また一段と会話の幅が広がります。
第3課でも日本語の語彙の順番や助詞も勉強していますので、それらもふんだんに使って、たくさん会話ができるレッスンを提供できるといいですね。
①あります/います
ここでは、3パターンのあります/いますを勉強します。
- Thingがあります/Personがいます
- Placeに~があります
- Timeに(予定など)があります
「あります」は無生物・「います」は生物に使用することをはじめに伝えるとスムーズです。
ここの練習は、町のイラスト(写真)を見て、「この町に郵便局があります」などの練習が良くされますが、もう少し学習者さんの日常生活で使えそうな練習もできるとより良いと感じます。
【練習例】
- 自分の家(部屋)について話してもらう
(私の机にパソコンがあります/家に猫がいます など)
- 勤務先について話してもらう
(会社にコーヒーマシーンがあります/会社にボスがいます など)
②位置詞
それぞれの表現(前・後ろなど)を覚えていないと練習の進みが遅くなりますので、まだ定着が弱そうであれば、再度新出語彙の確認もしていいと思います。
オンラインレッスンだと少し難しいかもしれせんが、体を使って表現すると定着しやすかったりします。(先生が前と言ったら、前を指すなど)
ここでよくある表現の間違えが「前の机」という語順になってしまう事です。
日本語の語順は「Noun の location words」で位置詞が後ろに来ることを伝えましょう。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
③名詞(過去形)
まずは、「です」の過去形を勉強します。
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過去否定の「じゃなかったです」は「じゃありませんでした」でも良いですが、学習者さんが混乱しないように導入する場合は、ちょっと注意すると◎です。
また、時々「じゃなかったでした」などの言い間違いがあります。
最初は、言う練習をして、音になれる/口がなれる練習をしてみても良いと思います。
④動詞(過去形)
動詞の過去形も動詞のフラッシュカードなどを使って、過去形・過去否定形を言ってもらうなどの練習も取り入れても◎です。
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過去形を使ってQAや会話がたくさんできるよう練習できるといいですね。
グループレッスンなら、学習者さん同士、プライベートレッスンでも、学習者さんと先生で現在形も過去形も使ってQAし合うと、たくさん話せるかと思います。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
⑤助詞「も」
助詞「も」は第2課でも勉強しているので、意味は既に知っています。
第4課で新しく「にも」「でも」があります。
第2課では「は」を「も」に変えるという事を勉強しましたが、置き換えるだけでOKの助詞と、追加する助詞があります。
置き換えOK⇒を・が・は
追加する⇒にも・でも
【例】
メアリーさんは学生です。→メアリーさんも学生です。
月曜日にテニスをします。→火曜日にもテニスをします。
⑥~時間
時間と同じく「4時間」「9時間」の言い方に注意です。
「ぐらい」も一緒に練習し、「昨日、7時間ぐらい寝ました」など過去形と一緒に練習しても良い練習になると思います。
⑦たくさん/と
こちらは、教科書の練習問題はありませんが、文法ページに記載があります。
そんなに難しくないので、既習文型と一緒に練習に盛り込んでみても良いかもですね。
また、文法事項ではありませんが、ここで「ひとりで(alone)」という単語も使い練習すると◎です。
第4課のUseful Expressionsページには日・週・時・年の言い方があります。
これを一気に覚えるのは大変ですが、自分の誕生日など、よく使われる日にちを使うなどして、レッスンで触れても良いと思います。
特に日にちの言い方は難しいので、一気に全部覚えるのは大変です。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第4課では、過去形も勉強し、よりできる会話の幅が広がります。
たくさん会話やQAをして、使えるようになると、学習者さんも「日本語を話すのが楽しい!」と思ってもらえると思います。
たくさん会話できるように、第4課までの既習文型を使った質問を考えてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
