日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第5課の学習事項
初級日本語げんき第5課の学習項目は下記の通りです。
- 形容詞(現在形)
- 形容詞(過去形)
- 形容詞(名詞修飾)
- 好き(な)/嫌い(な)
- ~ましょう/~ましょうか
- 助数詞「枚」
第5課のメインな学習事項は形容詞です。
新出語彙にもたくさんの形容詞があり、まずそれを覚えるのでも苦労する人も少なくありません。
絵カードを使ったりして、形容詞の定着をはかれると◎です。
①形容詞(現在形)
まず最初に形容詞を勉強する際に、日本語には2種類の形容詞(い形容詞・な形容詞)がある事を勉強します。
基本的に「い」で終わる単語が「い形容詞」ですが、「きれい」「きらい」は「な形容詞」になりますので、注意が必要です。
「きれくないです」「きらくなかったです」などの間違いが生じやすいです。
また、「良い(いい)」は特殊な変換をしますが、この際も「良い」だけでなく「かっこいい」「頭が良い」なども「良い」と同じ変換をしますので、合わせて伝えましょう。
「忙しい」について
「マクドナルドは、いつも忙しいです」
言いたい事は分かりますが、日本語では言いませんよね。
「忙しい」英語にすると「busy」なのですが、日本語では、人には使えるが物には忙しいは使えませんので、もし学習者さんがこの様な発言をされたら、この事を伝えると良いです。
②形容詞(過去形)
い形容詞・な形容詞、それぞれ現在形と過去形の形を表にして示すと分かりやすいかと思います。
最初のうちは、混乱することもありますので、まずはFCなどを使って、言う練習をしても良いと思います。
割とスムーズに言えるようになったら、形容詞を使って答えられるQAをして、会話をしてと徐々に文を長くしたりしてみても楽しいですね。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
③形容詞(名詞修飾)
「おいしいコーヒー」「高いかばん」など、現在形の形容詞+名詞の修飾を勉強します。
実際は、否定形や過去形の修飾もできますが、まだ初級ですので、ここでは現在形のみの練習でOKです。
導入は、難しくする必要はなく、物やイラストを用いるとスムーズにできるかと思います。
【例】
見せる物:かばんと金額の書いてある紙orパワポ
想定:高いかばん
先生:「これは何ですか。」
学習者さん:「かばんです」
先生:「いくらですか」(金額を読んでもってもOK)
学習者さん:「100万円です」
先生:「安いですか」
学習者さん:「いいえ、高いです」
先生:「これは、かばんです。高いです。これは、高いかばんです。」
誰が見ても高いと分かる金額に設定すると良いです。
人によっては、10万円以下だと安いと感じる場合もありますので、全員が高いと感じる値段を、極端でもいいので設定すると良いと思います。
④好き(な)/嫌い(な)
ここでは、「~が大好きです/好きです/あまり好きじゃありません/きらいです/大きらいです」を練習します。
助詞は「が」を用いる点を伝えれば、難しくはないので、学習者さんの好みを色々聞けるQAを出せると◎です。
ここでは、過去形や否定形を使う事は想定していませんが、中には「○○がきらいでした」と話してくれる方もいます。
学習者さんの進み具合を鑑みて、過去形や否定形の練習の有無を決めてみて下さい。
⑤~ましょう/~ましょうか
ここでの「~ましょう/~ましょうか」は英語のLet’sの意味になります。
「Let me do~/Shall I~」の意味は第6課の文型事項になりますので、混在しないように気を付けます。
「ます」を「ましょう/ましょうか」に変換するだけですので、難しくはないと思います。
既習文型を使った会話練習を取り入れるなど工夫し、飽きない練習ができると◎です。
⑥助数詞「枚」
テキストのUseful Expressionsに少しだけ出てきますが、テキストの練習問題にはありません。
しかし、文型事項には表記がありますので、忘れずに触れておきましょう。
日本語の助数詞は難しいですので、少しでも慣れておけると、後が少し楽になるかも?です。
「枚」は「数字+枚」の読み方でOKですので、自分の持ち物や身近な物の枚数を言う練習などすると、定着しやすいかもです。
【質問例】
①(さいふに)クレジットカードが なんまい ありますか。
②あなたのいえに DVDが なんまい ありますか。
③ピザを なんまい たべますか。
④トランプは ぜんぶ(total)で なんまい ですか。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第5課で勉強した内容で答えてもらえるQAを考えました。
これはあくまでも参考ですので、ご自身でより良いものを考えたり、学習者さんの立場やレベルに応じて変更してください。
