日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第7課の学習事項
初級日本語げんき第7課の学習項目は下記の通りです。
- ~ている(動作の継続)
- ~ている(変化の結果)
- 人の描写
- 形容詞/名詞て形
- Vに行く
- 助数詞「人」
第7課でも、第6課で勉強したて形をたくさん使っていきます。
まだて形に慣れていない学習者さんには、定着するまでフラッシュカードをしたりして、第8課に入る前までにて形はOKにしておきたいところです。
第8課ではSF(普通形)を勉強しますので、どんどん混乱していく可能性が大きくなります。
①~ている(動作の継続)
まずは英語のingに値する「~ている」を学びます。
- 私は、今日本語を勉強しています。
- 私は、げんきのテキストを読んでいます。
など、「今」している行動を使うとすぐ分かってもらえると思います。
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また、日本語では「職業」や「習慣」も「~ている」を使います。
- 私は、日本語を教えています。(日本語教師と言う職業を言う時)
- 私は、毎日ジョギングをしています。(日々の習慣)
②~ている(結果の変化)
先ほどの「~ている」は分かりやすいかったと思いますが、混乱しがちなのが、こちらの「結果の変化」になります。
これは、矢印などを用いて、時間軸を示すと伝わりやすいかと思います。
テキストの練習に出て来る「結婚する」「住む」などの動詞を用いて、板書やパワポなどで伝えると良いです。
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- 2つの意味で使われる動詞
私は、Tシャツを着ています。→今、来ている最中だ/今日、Tシャツを着ている
- 「知っています」の否定形
「知っていません」という間違いがあるので、最初に「知りません」であることを伝えても良いと思います。
③人の描写
人の描写をする前に、体の部位の名前に触れても良いと思います。
第7課のUseful Expressionsにはイラストと共に体の部位の名前がありますので、体を使いながら覚えてもらうのも有効的かと思います。
○○さんは、a body part がdescription
この文で練習をします。
「○○さんは、髪が長いです。」という文を「○○さんの髪は、長いです」という言う方もいます。
間違いではないですが、前者の方が自然な日本語であるという事を伝えましょう。
また、後者の文は、誰か別の人と比較している様な状況で使われる事が多いので、単純に人の髪を描写する際は、やはり前者の文の方が自然かと思います。
人を描写する際に、「ピアス」「ネクタイ」「コンタクト」などに使う動詞は何ですかという質問をたまに受けます。
もし質問を受けたり、学習者さんに余裕があるようでしたら、テキスト以外の物の着衣表記も伝えても良いと思います。
④形容詞/名詞て形
動詞のて形を勉強してきましたので、ここでは、形容詞と名詞のて形を勉強します。
少し形容詞を忘れている人もいるかと思いますので、再度第5課で勉強した形容詞や、い形容詞・な形容詞の復習をしてみても◎です。
【い形容詞】
さむい → さむくて
かわいい → かわいくて
※いい → よくて
【な形容詞・名詞】
きれい(な) → きれいで
しずか(な) → しずかで
にほんじんです→ にほんじんで
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
⑤Vに行く
ここでは、「Vに行く/来る/帰る」のパターンの文を学びます。
destination of movement に/へ the purpose of movement に 行く/来る/帰る
渋谷に友達に会いに行きます。
日本に日本語を勉強しに来ました。
語順が混乱しないように、最後は「行く/来る/帰る」の3つの語彙が来ることを最初に伝えると、学習者さんも文が作りやすいと思います。
【練習問題例】
①コンビニに_________にいきます。
②とうきょうに_________にいきました。
③としょかんに_________にいきます。
④いえに_________にかえります。
⑤だいがくに_________にきました。
⑥助数詞「人」
ここでも新しい助数詞「人」が登場します。
しかし、「人」はよく使われる助数詞で、日常生活でも使う機会もあると思います。
注意は「一人(ひとり)」「二人(ふたり)」ですが、それ以外は「数字+人」ですので、難しくなく覚えやすいかと思います。
Person が 〇人 います。
第4課で「が あります/います」を勉強していますので、今回も「います」だから助詞は「が」になります。たまに「は」にしてしまう人がいます。
また、人数を入れる場所も最初に伝えるようにしましょう。
「日本人2人がいます。」という間違いをたまにされる方もいます。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第7課で勉強した文型を使ったQAを考えてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
