日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第9課の学習事項
初級日本語げんき第9課の学習項目は下記の通りです。
- Short From(過去形)
- カジュアル会話(SF過去形)
- (SF過去形)と思います
- (SF過去形)と言っていました
- 動詞/形容詞の名詞修飾
- もう/まだ
- ~から(理由)
- 助数詞「つ」
第9課では、SFの過去形を勉強します。第8課で、SFの現在形を習ったばかりで、どんどん混乱してしまう人が出てきます。
定着には時間がかかることが多いですので、何度も繰り返し練習をして少しでもスラスラ言えるように持って行けると◎です。
Useful Expressionsの「色」は軽くでも触れておくと良いかと思います。ここで、色の言い方を初めて勉強する事になります。
日本語の色は2種類あります。

名詞もい形容詞もどちらでもOKの色と、名詞のみの色があります。
【例】
- 色+のN:赤の家・緑のコップ
- 色+N:赤い家・茶色い髪の毛
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
色に関する練習は、①Short Form(過去形)
少しでも学習者さんの負担を軽減できるように、板書やパワポは分かりやすいく見やすく書くように心がけれると◎です。
- SF(過去形)の動詞は、て形と同じ規則(た形)
- 不規則な動詞「ある」→「なかった」
一気に全部導入しなくでも、学習者さんの様子を見ながら、少しずつでもOKです。
下記⇓にて、動詞の変換に使える教材を販売しております。
初めて教える方・授業準備の時短をしたい方などにおすすめです!
一度購入すれば、修正・変更等自由にでき、長く使えるものになっています。
興味があったら、チェックしてみて下さい^ ^

げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
②カジュアル会話(SF過去形)
SF(過去形)を使ってカジュアル会話練習をします。
SFの現在形では名詞・な形容詞の「だ」(きれいだ等)は落ちますが、過去形の場合の「だった」(きれいだった)は落ちませんので、ちょっとだけ注意が必要です。
もし慣れている学習者さんであれば、現在形と過去形のミックス会話をしてみても、良い練習になると思います。
ただ、私の今までの経験上、ミックスるにすると混乱してしまう事の方が多いので、その場合は、過去形だけでもちろんOKです。
【会話練習例】
A:しゅうまつ、なにした?
B:ともだちと えいがかんで えいがを みた。
A:どうだった?
B:たのしかった。
③SF(過去形)と思います
「○○だったと思います」「○○たと思います」など過去の話をします。
教科書の練習はLong Formからの変換になっています。
すぐにLong FormからSFに変換できない人もいると思いますので、教科書の練習をする前に、練習をしてから入った方がスムーズにできると思います。
【質問例】
①あなたのお父さんは、かっこよかったですか。
②あなたのおばあちゃんは、きれいでしたか。
③あなたの友達は、勉強するのが好きでしたか。
④(your partner)は どんな子どもだった と思いますか。
④SF(過去形)と言っていました
ここも第8課の「SF(現在形)と言っていました」の時と同様に、自分と相手以外の人の話を聞いて伝える時に使うフレーズになっているので、プライベートレッスンの際は、練習や導入に困ったりすると思います。
ここでも私は、リスニングを取り入れ、げんきの前の課で過去形で話している会話を使い「メアリーさんは○○だったと言っていました」などと答えてもらう練習を入れたりしています。
この時のリスニングは簡単で短くてOKです。
ここでの目的は「SF(過去形)と言っていました」というフレーズを作って言う事ですので、あまりにもリスニングが難しくて、聞き取れずできないというのでは本末転倒です。
グループレッスンなら、クラスの人にインタビューをして、それをみんなの前で発表してもらうなどすると話す機会も増え良いと思います。
⑤動詞/形容詞の名詞修飾
ここでは、「~ている人」という形に限定して練習をしていきます。
より詳しい名詞修飾は、第15課で勉強します。
色んなことをしている人のイラストや写真を見せて、「○○さんは、踊っている人です」「××さんは、お酒を飲んでいる人です」などとたくさん言ってもらえるように練習を考えると良いかと思います。
⑥もう/まだ
「まだ、していません」の形で「まだ、しません」とならないように。
また、状態動詞「ある」「ない」は使えませんので、もし学習者さんから発言があったら伝えると良いです。
ただ、特に触れなくても良いです。
「いいえ、まだです」という返答を伝えてもOKです。
【質問例】
①もう Lesson9のあたらしいたんご は おぼえました か。
②もう Lesson10 は べんきょうしました か。
③もう Short Form は おぼえました か。
④もう て Form は おぼえました か。
⑦~から
「から」は第6課で習っていますが、ここでは「SF+から」の形を練習します。
(reason) から、(situation)。
この順番ですので、前後の文が逆にならないように最初に提示すると◎です。
名詞・な形容詞の「だ」は落ちません。(例:いい天気だから、出かけます)
下記の様に、穴埋めの様にすると、色々答えが出て楽しいかと思います。

⑧助数詞「つ」
新出語彙に10までの数え方がありますので、それを見ながらでもOKです。
レストランやファストフード店での注文のロールプレイをするなどして「○○と一つください」などの練習ができます。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第9課で勉強した文型を使った練習問題を考えてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
