日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第14課の学習事項
初級日本語げんき第14課の学習項目は下記の通りです。
- ほしい
- ~かもしれません
- あげる/くれる/もらう
- ~たらどうですか
- も/しか~ない
第14課で混乱しがちなのが、授受表現(あげる/くれる/もらう)です。第22課でもまた出てきますので、(使役+てあげる/くれる/もらう)ここでしっかり定着できると理想的ですね。
①ほしい
主語によって助詞が違いますので、導入時に伝えましょう。
私は○○がほしいです。
田中さんは○○をほしがっています。
※「ほしがっています」は「ほしいと言っています」でもOKです。学習者さんの状況を鑑みて導入するといいです。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
②~かもしれません
SF+かもしれません
な形容詞・名詞は「だ」は落ちます。
《例》日本人だ→日本人かもしれません
色んな形で作れるので、レッスン内でも、一つの品詞に偏らないように色々文を例示できると◎です。
③あげる/くれる/もらう
ここが第14課で一番大変な所になるかと思います。
まず、「あげる・くれる」の2つを矢印などを用いて、授受が分かるように提示し練習します。
その後に「もらう」を導入すると良いかと思います。
誰が主語になるのか、誰の立場からの発言なのかを分かるようにすると良いです。
(giver)は/が (recipient)に あげます。
(giver)は/が (recipient)に くれます。
(recipient)は/が (giver)に/から もらいます。
ここでは、身内など心理的に近しい人のやり取りに関しては扱っていません。
まずは、自分自身が関わるやり取りになれる事を目標としています。
《練習問題例》
- 私は友達に、お土産を( )。(※私が友達に渡した)
- 友達は私に、お土産を( )。(※友達が私に渡した)
- 私は友達から、お土産を( )。(※私が友達から受け取った)
- 佐藤さんは、山田さんに誕生日プレゼントを( )。(※佐藤さんが受け取った)
④~たらどうですか
相手にアドバイスをする表現を学びます。
ちょっとした悩みや、おすすめの場所など、学習者さんが考えてアドバイスができる練習を増やすと、発言する機会も増え、楽しめると思います。
《例》
下記について「~たらどうですか」を使ってアドバイスをしてください。
- 日本人の友達がほしいんです。
- 彼女/彼と結婚したいんです。
- 日本で仕事をしたいんです。
- 今度、○○に旅行に行くんです。 など
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
⑤も/しか~ない
最初の導入時は、少し大げさなぐらいの単位で導入すると分かりやすいかと思います。
昨日、30分しか寝ませんでした。/1か月に50冊本を読みました。など
質問によっては、ちょっと失礼/自慢の様になりかねませんので、気を付けてください。
- Tシャツを1枚しか持っていませんか。
- 1年に本を1冊しか読まないんですか。
- 私は車を10台も持っています。など
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第14課にはUseful Expressionsに数え方があります。
ここで、数え方を勉強しても良いと思います。良かったら、下記の教材も参考にしてみて下さい。
コチラの数え方の表も良かったら参考にしてください。
