日本語教師の方なら全員が知っている「みんなの日本語」
日本語教師養成講座でも、広くテキストとして使われていますよね。
定番中の定番なのですが、実はあまり知られていない関連本もたくさんあるんです。
一部では、「みんなの日本語」に対して否定的な意見もありますが、それでもシリーズとしては、かなり色々出版されています。
個人的には、上手に使えば、「みんなの日本語」も十分楽しめる本だと思います。
是非、関連本も上手に使いながらレッスンをしてみて下さいね。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 「みんなの日本語」について知りたい人
- 「みんなの日本語」をもっと上手に活用したい人
- 「みんなの日本語」関連本を知りたい人
みんなの日本語について
1998年に出版されて以来、日本語教科書の定番として使われています。
初級日本語学習の定番「みんなの日本語シリーズ」は、一般成人を対象とした基本的な文型をやさしいものから難しいものへと積み上げ、聞くこと、話すことを中心に学習する総合教材です。(文法積み上げ)
文型が実際にどのような場面で使われる表現なのか、覚えた文型で何ができるのかを実感しながら学習していきます。
多くの日本語教師の方が同じような感想をお持ちかと思いますが、「みんなの日本語」は定番のテキストで、多くの日本語学校でも使われていますが、教科書通りにだけ行っているのでは、ちょっとつまらないかな…という印象です。
そのため、よく「みんなの日本語」を批判する声は聞きますが、批判するのではなく、どう楽しくアレンジできるかを考えていくと良いと思います。
そのためにも、みんなの日本語シリーズを必要に応じて活用していくと◎です。
教え方の手引き
日本語教師養成講座に通っていた方(通っている方)であれば、みんなの日本語に沿って授業が行われている事も多いと思いますが、全ての課を全部網羅できるとは限りませんよね。
また、間違いやすいポイントなど、始めて教える課だと分からない事もあるかと思います。
そんな時に1冊持っていて損はないのが「教え方の手引き」です。
文型の説明や練習方法・発展練習などが掲載されています。
教科書だけの練習だけでなく、もう少し膨らませたい場合など、参考になります。
翻訳・文法解説書
みんなの日本語の内容を15言語で確認できます。
学習者だけでなく、先生も必要であれば持っていると、媒介語を使ってのレッスンの助けになると思います。
私は英語版を持っていますが、新出語彙、文型、教科書の文が英訳されており、学習者さんが自習用としても使えると思います。
先生側は、媒介語を使ってレッスンをする際に、とても参考になるのかと感じます。
【みんなの日本語初級Ⅰ】
【みんなの日本語初級Ⅱ】
標準問題集
みんなの日本語の標準問題集は、留学生を対象とした日本語学校などでは、割とよく使用されています。
みんなの日本語のテキストと合わせて使える問題集なので、宿題として出している学校もあります。
導入・練習イラスト集
名前の通り、導入に役立つイラストがたくさんあります。
各ページ、切り取り線から切り取って使うことができます。
別冊の解説には、各イラストの活用例(学習目標、内容、活動、参考、追加語彙)があります。
絵教材CD-ROMブック
こちらは、イラストをPDFにしてCD-ROMに収録したものです。
印刷すれば、レッスンや配布プリント、テスト等で利用することができると思います。
【内容】
イラスト枚数 | 317枚 |
動詞 | 153枚 |
形容詞 | 48枚 |
名詞 | 88枚 |
表現 | 28枚 |
聴解タスク25
文字通り、聞き取りに特化した教材です。
みんなの日本語で学んだ文型・語彙を使ったものを基本としており、「タスク形式」中心の練習で、聴解力を伸ばしつつ、コミュニケーション力を養成していけるよう、構成されています。
翻訳は、英語、中国語、韓国語、ベトナム語に対応しています。
音声のみであれば、アプリで聞けます。
漢字練習帳
みんなの日本語に沿った漢字練習帳です。
本冊で学習する文型、語彙にあわせ、日常生活でよく使われる218字の漢字を無理なく身につけることができます。
練習は「漢字シート」「読み練習」「書き練習」の構成で、数課ごとに「復習テスト」があります。
初級で読めるトピック25
初級から「読む」練習ができる教材です。
触れる機会の多い身近な生活情報から、日本事情に関するものまで、幅広いトピックを様々な形式で取り上げ、内容の理解を確認する簡単な問題もあります。
文字や数字になれる練習からはじまり、お知らせ、手紙、インタビュー、クイズ、アンケートなど、様々なタイプの読み物がそろっています。
初級Ⅱでは、少し長めの物語、解説文、メール、インタビュー、クイズ、アンケートなどがあります。
別冊にはみんなの日本語のテキストで学習していない語彙の訳(英語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語・中国語・韓国語)、問題の解答、教師用ガイドが掲載されています。
DVD&CD
みんなの日本語シリーズには、DVDやCDで動画や音声を見聞きして学習できる教材もあります。
レッスンで使っても良いですが、学習さんの自習用として紹介してみても良いと思います。
【DVD】
【CD】
書いて覚える文型練習帳
みんなの日本語のテキストで学習する語彙や文法を書いて覚えていく教材です。
各課は、イラスト、表、図などが使われております。
10課まではひらがな分かち書き、11課から漢字かなまじりで表記されています。
【内容】 ※課ごとに内容の構成は異なります。
- 語彙の整理と定着
- 文型の整理と定着
- 各課毎の文法チェックシート
- 疑問詞・助詞・副詞・動詞のフォーム・後続句の分類整理
- 短作文
- フォームの資料
- 総復習としてのまとめ
やさしい作文
身近な20のテーマについて、文章が書けるようになることを目指したワークブックです。
作文のパターンを整理し、モデル文を示し、それらに沿ってポイントを押さえ、語彙を確認したり、学習者同士で話しあったりすることで、作文の展開を意識して書けるようになります。
別冊には、問題の解答以外にフローチャートと『みんなの日本語初級』で扱っていない語彙の訳(英語・中国語・韓国語)、教師用マニュアルが掲載されています。
まとめ
「みんなの日本語」恐らく日本語教師の方であれば、知らない人はいないですよね。
多くの日本語学校でも使われていますが、残念ながら「つまらない」「古い」などの声はよく聞きます。
確かに私もそう思う部分はありますが、これだけのサブ教材・補助教材が充実していますので、上手に使っていけばいいのではないでしょうか。
多様な言語での訳も発売されていますので、学習者さんの自習用としておすすめしても良いと思います。