日本語ゼロの人とどうやってレッスンするの?
媒介語ってどのぐらい使うの?
日本語教師養成講座では、ゼロ初級者向けのレッスンについての事を学ぶ機会がほぼ無いと思います。
そのため、私が一番最初にゼロ初級者向けにレッスンをした際、とても困りました。
そこで、今回は、私の今までの経験から、大人のゼロ初級者向けのレッスンでやって良かった事、失敗してしまった事を踏まえより良いレッスンの方法をご紹介します。
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【こんな人に読んでもらいたい】
ゼロ初級者向けのレッスンをしたい人
大人向けレッスンをしたい人
ゼロ初級者向けのレッスンで悩んでいる人
ゼロ初級日本語レッスンに興味がある人

そもそもゼロ初級とは?

ゼロ初級とは、その名の通り全く話せない方の事を指します。
私がレッスンをしている方の中でも、「こんにちは」も知らなかった方もいます。
それでも、日本語を勉強したいと思ってくれたのは、本当にありがたいですよね。
そのため、ひらがなカタカナは、全く知らないという事が多いです。
ゼロ初級者の難しい点

日本語教師側から見ると、一見、難しい文法を教えるわけでもないので、教えるのが簡単だと思われるかもしれません。
確かに、準備には時間があまりかからないかもしれませんが、ゼロ初級者とのレッスンで一番難しいのは、モチベーション維持です。
ご自身も想像してみて下さい。
例えば、タイ語やヒンドゥー語など、文字から覚えなければいけない言語の勉強をするとなると、中々上達せず、やる気を失ってしまいそうになりますよね。
それと同じです。
ひらがなだけでも大変なのに、カタカナもあるなんて、そして漢字も…。
ゼロの人から見ると、ハードルが高いんです。
教える事は決して難しい事ではありませんが、どうにかモチベーション維持して続けてもらう事が重要です。
ゼロ初級者は何から始めればいいの?

まずは、文字学習です。
別にローマ字で書かれた教科書もあるので、文字学習要らないくない?と思われると思います。
確かに、その通りでもあります。
日本に住んでいなくて、いつか旅行に行きたい、でも、日常日本語を話す機会はゼロ。
なんて方は、ローマ字で書かれた教科書で学べる範囲でOKなのであれば、文字学習はしなくても良いかもしれません。
しかし、文字学習をするメリットとしては、日本語の発音を知れるという点です。
同じ音でも、日本語だと微妙に違う事もあるかもしれませんよね。
なので、学習者側から「絶対に文字は勉強したくない。ローマ字で書かれた教科書で勉強できる範囲でいい」という了承を得ていない限り、文字学習はした方が良いです。
おすすめのローマ字で書かれた教科書
①NIHONGO FUN&EASY
文法積み上げではなく、日常生活で必要な日本語を、自分の知りたい順にすぐに学べます。
ローマ字の記載、英語での文法解説や例文の訳があるので、独学する事もできます。

②みんなの日本語 初級I 第2版 本冊 ローマ字版
みんなの日本語は、ローマ字で書かれたバージョンもあります。
文字を勉強しつつも、文法積み上げもしたいという人にはおススメです。

これらの教科書は、文字学習と並行しながら行うと良いと思います。

文字レッスンの注意点3選
大人向けの文字学習において、私の経験上注意しておいた方が良い点があります。
子どもじゃない
当たり前じゃんと思うと思いますが、実際、文字学習のレッスンをしていると、無意識に子ども扱いの様な対応をしてしまう事があります。
例えば、かわいいイラストをたくさん使う、読めた時に「すごいです」とほめ過ぎるなど、先生側は、子ども扱いしているつもりが無くても、相手にはそう取られてしまう可能性があるんです。
学習者の年齢などに応じて、使用するイラストを選んだり、一文字読めただけで「すごいです」などと言いすぎない方が良いと思います。

文字だけのレッスンをしない
例えば、1コマ50分のレッスンで、ゼロ初級だからといって50分文字だけのレッスンをするのは、やめましょう。
ご自身が学習者だったら、苦痛ですよね。
レッスン内で文字学習をする場合は、10分~15分程度に収めるのがいいです。
長くだらだらやらない方がいいです。
テンポよく行う
文字学習は、ゆっくりではなくて、ある程度テンポよく行った方がメリハリがついて良いです。
読めなくてストップしてしまう事も多いかもしれませんが、フラッシュカードなどを使用する際は、シャッフルしたり、出す文字の数を変更したりなどして、テンポよく行う様心がけましょう。
ゆっくり過ぎると、眠くて退屈になります。
学習者さんによって、文字学習をどうするか異なります。
- 文字学習は自分で行う人
- 確認だけレッスンでしてほしい人
- レッスンでしっかり文字学習してほしい人
その方の要望に応じてレッスンでの取り扱いを変えていけると良いですね。
媒介語の使用について
ゼロ初級なので、媒介語(例えば英語など)たくさん使うのかな、と思われがちですが、最低限の言葉のみ言う程度で十分レッスンを進めることができます。
ゼロ初級でも、理想は日本語のみでレッスンを行う事です。
しかしながら、現実問題、難しい場合が多いので、必要に応じて英語など媒介語を使用しても良いですが、使い過ぎは要注意です。
フラッシュカードを行う際も、「これなんですか」と毎回言う必要はないですよね。
相手も大人なので、何をすべきかは、1回行えば大体分かりますので、話しすぎないように心がけましょう。

フラッシュカード

文字学習時におすすめなのが、フラッシュカードです。
パワーポイントで作っても良いですが、パワポが苦手という方は、「Quizlet」というサイトがおすすめです。
有料版もあり、その方がクイズの回数など多くなったりしますが、フラッシュカード機能だけを使うのであれば、無料版で問題ないです。
おすすめポイント
- web版とスマホ版があり、どちらも作成可能
- 文字を入力するだけで、フラッシュカードができる
- 登録していない人への共有も可能
制限がありますが、必要であれば絵やイラストを挿入することもできます。
登録していなくても利用できるので、学習者さんが自習用として使用することも可能です。
※フラッシュカード作成には、無料登録が必要です。
\早速使ってみる/
まとめ
今回は、大人向けの文字学習についての内容をまとめました。
何よりも気を付けたいのは「子供扱いされた感を与えない事」です。
特に、ある程度の年齢で、会社でも役職があるような方は、文字学習の際に、「なんでこんな簡単な事をさせるのか」と思う人が多い傾向に感じています。
そう思わせないように、工夫して文字学習ができると良いと思います。
