「日本語教師に興味はあるけど、自分は向いているのか分からない」
「気になっているけど、なんだか一歩踏む出せずにいる」
「もう日本語教師辞めたい」
そんな方には、日本語教師のリアルな現実を知ってその上で、日本語教師になるかならないか、続けるのか決めてもらいたいです。
メリットもたくさんありますが、その分、デメリットもあると感じています。
そこで、今回は私が会社員から日本語教師になって感じる事、日々日本語教師になって思う事をまとめてみました。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 日本語教師に向いているのか知りたい人
- 日本語教師のリアルを知りたい人
- 日本語教師のメリット&デメリットを知りたい人
日本語教師のメリット3選
まず、日本語教師の良い点を3つご紹介します。
これは私が実際になって感じているメリットです。
①多様な働き方ができる
日本語教師として活躍する場は、本当に多様にあり、自分のライフスタイルに合わせて選択できる点がとても良いと感じています。
日本国内・海外・日本語学校・オンライン・子ども・留学生・大人・試験対策・日常会話などなど、本当に上げたらきりがないぐらい、多様です。
また、日本語学習者は全世界にいるので、24時間好きな時間に教えられるというのも魅力の一つです。
私自身、二人の子供がいますが、子育ての合間で日本語教師をしています。
曜日によっても働く時間が異なり、本当に柔軟に働けます。
また、最近では、YouTubeやTikTok、インスタなどで動画をアップし、インフルエンサー的な感じで日本語教師をしている人も増えている印象です。
副業としてもでき、自分に合った働き方ができます。
②色んな人と触れ合える
日本語教師なので、教える対象が外国の人であることが多いですよね。
(一部、日本人だけど海外に住んでいて日本語があまり話せないという人もいます)
ですので、必然的に色んな国の人と出会うチャンスがあります。
違った国の人と出会ってコミュニケーションを取ると、新しい考え方を知れたり、行ったことのない国の事を知れたりもします。
そのため、視野がとても広がると思います。
ただ、個人的には、この様な事よりも、もっと良いなと思う点があります。
それは、異なる国の違う世代の人と交流ができるので、「こうなりたい!」「こんな良い点を見習いたい!」と思える素晴らしい人に会えるという点です。
もちろん、日本人でも素晴らしい人はたくさんいますが、海外の人は、違った考えを持っていたり、より視野が広かったりする人も居て、本当に刺激を受けます。
日本で会社員をしていたら、出会えなかったような人とも出会う機会があるので、日本語教師になって良かったな、と感じます。
③日本の良い点を再確認できる
日本に住んでいると、日本の嫌な事ばかりに目がいって、「日本ってもうダメだ」みたいな感覚に陥る時があるかもしれません。
私も、割と日本ってもうダメだって思っていたタイプなので(笑)、当時の自分を少し恥じます。
でも、日本語教師になって、色んな国の人と交流をしていく中で、日本の良い点・素晴らしい文化・日本人の親切さなどに、気づかされる事が多いです。
どの国も良い点・悪い点を持っているのは当たり前で、その中で、自分が良いと思う方向を探し、生活していべきなのかもしれませんよね。
「完璧な国は無い」
日本という国がどれだけ恵まれているのか、また、日本人として生まれて受けれた教育などが、どれだけ素晴らしい物だったのか、気づかされる時があります。
日本語教師になってから、日本の事をもっと知りたい、日本の良い点もたくさん伝えたいという思いが強くなりました。
日本語教師のデメリット3選
日本語教師のメリットを見てきたので、ここからはデメリットを見て行きましょう。
ちょっとがっかりしてしまう事もあるかもしれませんが、私が感じるデメリットを紹介します。
①稼げない
正直、日本語教師の給料は低いです。
日本で会社員をしていた時よりも、遥かに給料は減りました。
それなのに、ずっと授業準備に追われていたり、レッスンの事を考えています。
考えすぎて本当に疲れてしまう事もあります。
時々、日本語が嫌になって、日本語教師を辞めたいと思う事もあります。
レッスン準備に1時間費やしても、1日費やしても、もらえるお金は1レッスン分のみです。
頑張っても頑張らなくても、同じお金しかもらえません。
私の感覚だと、日本語教師の多くは、どうしたらもっとより良いレッスンができるか永遠に考えていて、本当に生徒さん思いの人ばかりです。
また、20年30年のベテラン先生になっても、新米先生と数百円しか時給が変わらないという事も珍しくありません。
皆さん、お金よりもボランティア精神の様な感じでされている人が多い印象です。
②正規雇用が少ない
日本語教師の5割がボランティア、3割が非常勤講師、残りの2割が常勤講師となります。
(参照:日本語教育関係 参考データ集 P25)
常勤講師の募集は常にありますが、表の通り、そもそも日本語教師で常勤講師として働いている人の割合が少ないのです。
なので、非常勤講師として何校か掛け持ちしている先生もたくさんいます。
オンラインレッスンと上手く組み合わせている先生もいます。
副業やスキマ時間の有効活用としては、最適なのですが、日本語教師で家族を養っていこうと思うと、常勤講師として採用され、日本語学校で働くのが王道かと思います。
日本にある日本語学校は、主に留学生を受け入れている事が多いので、滞在許可証(いわゆるビザ)の管理、生徒指導的な事をしなければいけず、常勤講師も決して高い給料ではないのにもかかわらず、細かい対応等がたくさんある仕事になります。
個人面談や進路指導に加え、場合によっては、家庭訪問を行ったり、アルバイトをし過ぎていないか(留学生ビザの場合は週20時間まで)、行方不明になっていないか、などなど、本当に細かい業務がたくさんあります。
そして、これに加え、日本語の授業もしなければいけないので、常勤講師も結構大変です。
③答えがない
日本語教師としての永遠の悩みは、これが絶対という教え方がないという点です。
こうした方が良いという事は日本語教師養成講座などで学べますが、実際日本語教師になってみると、人によって対応を変えて行かなければいかなかったりして、100%これが正しいという答えがありません。
もちろん、文法事項やルールなどは決まっているので、答えがありますが、教え方として、絶対というものはないので、自分に合った教え方または、生徒さんに寄り添った教え方などと、常に探っていかなければいけません。
私の知っているベテラン先生で、どうしたらいいのかを考えすぎてうつ病になってしまった方がいます。
それぐらい、ベテラン先生でも悩み続けている事なのです。
悩んで行き詰ったら、他の日本語教師の先生に相談してみるなどして、思いつめ過ぎないようにしてくださいね。
自分の健康が一番ですよ!
まとめ
今回は、日本語教師のメリット&デメリットをそれぞれ3つずつ紹介しました。
メリット | デメリット | |
1 | 多様な働き方ができる | 稼げない |
2 | 色んな人と触れ合える | 正規雇用が少ない |
3 | 日本の良い点を再確認できる | 答えがない |
上記事項は、あくまでも私の感覚ですが、会社員から日本語教師になった人の感想として、ご自身が、日本語教師に向いているのか・向いていないのかの判断に、少しでも何か参考になれば幸いです。