日本語教師の働き方の一つに「日本語学校で勤務する」方法があります。
日本語学校と言うと、大体は留学生を対象としている事が多いですが、中には生活者(子供や大人)対象の学校もあります。
いずれにしても、日本語学校で働き始める際は、面接をし合格しなければなりません。
また、日本語教師で採用されるため面接では模擬授業を行います。
そこで今回は、私が今まで受けてきた日本語学校での面接や模擬授業について、実際の内容を紹介します。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 日本語学校で働きたい人
- 日本語教師として面接を受ける予定の人
- 日本語教師の面接や模擬授業について知りたい人
日本語教師ってどんな仕事?
そもそも、日本語教師はどんな仕事が知っていますでしょうか。
日本語と付くので、学校の国語の先生をイメージする人も居るかもしれませんが、国語の先生とは教える対象者が違います。
日本語教師は、日本語が母国語ではない人(外国籍の方)に日本語のレッスンをする事が主な仕事になります。
日本語を教える以外には、生徒指導の様な事もする場合もありますが、相手は必ずしも子どもとは限りません。
日本へ留学で来る人の多くは、20歳前後になりますので、学校で受けてきた「生徒指導」の感じとは、また違います。
働く場所も、日本語学校と「学校」と付きますが、小学校や中学校などとは違い、語学学校・語学スクールの方が近いかもしれません。
日本語教師は、教員資格が無くてもできるので、「学校の先生」ではなく「英会話スクールの先生」のイメージの方が近いかと思います。
日本語教師になろう
日本語教師として、日本語学校で働きたい場合は、下記の条件のいずれかに該当している事が必須になる事が多いです。
①「日本語教育能力検定試験」合格
②「日本語教師養成講座420時間」修了
③大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」修了
※上記の条件は、日本語教師の国家資格導入後は変更になってくる可能性はあります。
特に「留学生を対象とした」日本語学校は、今後国家資格である日本語教員試験に合格しないと働けないようになりますので、ご注意ください。
①日本語教師の求人をチェック
日本語教師の求人は、日々更新されております。
ご自身の条件に合った求人を見つけたら、積極的に応募してみて下さい。
私は、過去に会社員としての転職も経験したことがありますが、個人的には、日本語教師の転職活動の方がスムーズに行えました。
未経験でも応募可能である求人も多く、通常の転職の際では重要になる職歴は、そこまで重視されていないと感じます。
②応募する
応募する際、履歴書・職務経歴書の他に、日本語教師養成講座の修了証や、日本語教育能力検定試験の合格証の提出が求められる事があります。
事前にデータもしくはコピーを取っておくと良いです。
【実際に日本語学校との応募のやり取り】
下記は、私が日本語教師養成講座修了後に最初に連絡をした日本語学校とのメールです。
学校見学にも行き、その後面接という流れになりました。
面接の模擬授業は提示されたものの中から選ぶ形式でした。
下記が実際の物で、この中から選び模擬授業を行いました。
上記の学校は、留学生対象ではなかったのですが、この後受けた、留学生対象の学校では「みんなの日本語 初級I」の中から指定の課が提示されて、15分程度の模擬授業を行いました。
③面接&模擬授業
日本語教師の面接は、会社員の転職の際の面接よりも和やかで、圧迫面接の様な事はないのでは?と思います。
面接官は、教務主任などの方がする場合が多いです。
私が受けた学校では、面接が一回のみの時と、二回の時がありました。
【実体験の流れ】
- 一次面接
面接官:教務主任(1名or2名)
内容:模擬授業(15分程度)・その後質疑応答
- 二次面接
面接官:校長(5分程度会長が同席された学校もありました)
内容:面接&意思確認
模擬授業は、皆さん緊張しているので、早く終わらせるため、面接が始まったらすぐに行う場合が多いと感じます。
模擬授業の際は、意地悪な質問をされる場合もありますので、答えられればベストですが、答えられなくても「その質問は、次の授業で答えますね」など、受け流す文言を考えておくと◎です。
ただ、基本的な文法の事など、想定できる質問に関しては、事前に答えを準備して模擬授業に臨みましょう。
模擬授業が終わると、面接になりますが、ここで聞かれることは、その他の転職の際に聞かれる内容とそんなに大差がないと思います。
【実際に私が聞かれた質問】
- どうして日本語教師になりたいのか
- 今までの職歴
- 持っている資格(養成講座修了など)
- どんな日本語教師になりたいのか
- 今まで海外の人と触れ合う機会はあったのか
- どうしてこの学校で働きたいのか
- どうして非常勤or常勤講師になりたいのか
- 日本語教師としてどんなキャリアを考えているのか
- どんな授業をしたいと思っているか
- どのぐらい働きたいか(勤務可能日や時間など) など
覚えている範囲ですが、上記の様な内容を聞かれた記憶があります。
そこまで難しい質問は無く、割と答えやすい質問が多いのではないでしょうか。
また、面接の最後にはお決まりの(?)「何か聞いておきたい事や質問などありますか」と聞かれることが多いです。
何でもいいので、1つ以上聞く事を準備しておくと◎です。
【逆質問の例】
- 学校に通う学生について(国籍など)
- 常勤講師と非常勤講師の関わり方について
- 講師数やクラス数
- 研修の有無
- 引継ぎの仕方
- 授業の担当個所はどのように知らされるか
- 学校が所有している教材の有無
- 何人の先生で1クラスを担当していか など
その他、疑問に思う事や不安に感じる事は聞いてみて良いと思います。
④結果連絡
面接修了後、結果は電話またはメールにて連絡がありました。
採用となると、その後の流れについての説明があり、初日を迎えます。学校によっては、事前に研修がある場合もあります。
初めての日本語教師として初日は、かなり緊張しました。
学習者さんはどんな人なのか、時間内に授業を終えられるのか、そもそも授業ができるのかなど、緊張緊張でした。
私は、最初2校掛け持ちで始めましたが、どちらもOJT制度があり、最初の2か月程度は、教案チェックや相談などをしてくれる先輩先生が付いていました。
個人的には、最初のうちは大変だけど、可能であれば、たくさん授業を持つ良いです。
経験を踏まないと、いつになっても慣れず、自分の中に落とし込めません。
「新米先生」という名前が付いている間に、たくさん経験ができると、少しミスをしても周りも優しくフォローしてくれます。
ただ、日本語教師の先生方、本当にどなたも優しいので、困っていれば助けてくれたりアドバイスをくれたりします。
悩んでしまったら、先輩先生に聞いてみて下さいね。
面接時の服装について
日本語教師の面接時は、スーツでなくても大丈夫です。(男性も女性もです)
ラフな格好過ぎず、教壇に立った時、違和感のない服装であれば何でもOKです。
オンラインでの面接の際も、露出が多過ぎたり、奇抜過ぎる服装でなければ、何でも大丈夫です。
質問や自己紹介について
先に、面接時の質問については書きましたので、そちらを参考にして下さい。
日本語教師の面接の際も「自己紹介」をお願いされることがあります。
初めて日本語教師になる方は、それまでの日本語教師以外の職歴を話せばOKです。
日本語教師の経験がある方は、それも含め話すようにしましょう。
(無資格でも、日本語を教えた経験は全て話すと良いです)
自己紹介は、他の転職活動の際と変わりなく、簡潔に分かりやすく今までの経歴を話すように準備しておきましょう。
日本語教師になる方は、ご年配の方もおり、正直、ご年配の方の中には、長々と話す人が多々見受けられます。
たくさん経験が素晴らしい事なのですが、それを簡潔に分かりやすくまとめて話せるように、事前に準備しておくと良いです。
まとめ
今回は、日本語教師の面接や模擬授業について、実体験をまとめました。
日本語教師の面接だからといって、他の企業と特段変わった事があるわけではありません。
模擬授業は、教師という職業柄つきものだと思います。
私が経験して感じるのは、日本語教師の面接の方が、他の企業の面接よりも和やかで、質問内容も厳しくはないです。
割と、リラックスして面接に臨めると思います。
【日本語教師の面接の際のポイント】
- 他の企業の面接と特段変わりはない
- 模擬授業の際に扱う文法事項は事前に勉強しておく事
- どうして日本語教師になったのか(なりたいのか)はほぼ100%聞かれる
何か少しでも役に立てば嬉しいです。