日本語教師が教える対象は幅広く、日本で働いている、もしくは働く予定の外国籍の方に教える機会もあると思います。
私は以前、企業の人事部で会社員をしており、そこで外国人雇用に関わっていました。
現在は、日本語教師という立場ですが、やはり外国人雇用には興味があり、今回「外国人雇用管理主任者」という試験を受けてみました。
ネット上にもあまり情報が無かったので、受講前、どんな試験なのかもっと知りたいなと感じたため、今回、実体験を元に記事にしました。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 外国人雇用管理主任者について知りたい人
- 外国人雇用管理主任者試験を受けたい人
- 外国人雇用に興味のある人
外国人雇用管理主任者とは?
外国人雇用管理主任者は、外国籍の方の雇用に関する知識を習得し、外国人雇用をサポートできる人材育成を目的として設立された資格です。
外国人を雇用するには、日本人の雇用とは異なる手続きや注意点があり、ミスがあると罰金が科せられる場合もあります。
そうならないために、外国人雇用に関する知識を身につけ、スムーズに業務が行える事を目指します。
受験対象者
学歴、年齢、実務経験等の制限はなく、誰でも受験可能です。
【下記の様な方によりおすすめです】
- 外国人雇用を検討している企業の経営者、人事責任者
- 外国人雇用を任せられた企業の人事担当者
- 外国人社員を現場で受け入れるマネジャー
- 外国人社員を採用している企業の外国人社員自身
- 外国人材紹介等をおこなう人材サービス会社の担当者
- 監理団体や登録支援機関の担当者
- 社労士や行政書士、キャリアコンサルタントなどの専門家
- 将来グローバルに活躍したい大学・専門学校生 等
取得のメリットは?
外国人雇用管理主任者を取得するメリットとして、ここでは3つ挙げます。
- 企業内において外国人雇用に関する知識を身に付けられる
- 外国人雇用の知識を身に付いてけているという証明になる
- 資格取得後も継続的な学びを受けれる(セミナー参加等)
今後も外国人雇用に関わって行く予定のある方であれば、取得しておくと良いと思われます。
難易度は?
難易度は、私の受けた感じですと、決して難しくありません。
むしろ、勉強さえすれば誰でも合格できると思います。
ただ、外国人雇用に関する知識(労働基準法や在留カード等)が全くゼロスタートの場合は、少し難しく感じる箇所もあるかと思います。
合格基準は70%以上です。
試験問題は、全て文章(やや長め)の4択です。
すぐに分かるものと、少しややこしいものとありますが、事前に勉強しておけば、合格できるのではないかと感じます。
試験日
試験は、いつでも受けれます。
全国260箇所のテストセンターにて自分のタイミングで受験できます。(テストセンター一)
出題形式は、CBT方式(パソコン上で行う試験方式)による四肢択一式50問で、所要時間は60分です。
外国人雇用主任者の受験方法は2通りあります。
上記は、独学し自分でテストセンターへ行って受験をする方法の場合です。
別の方法は、この投稿の下部(「東京リーガルマインドで講義を受講する」)をご参照ください。
試験料
受験料は、8,500円(税込)です。
「東京リーガルマインドで講義を受講する」場合は、料金が異なります。
試験結果について
CBT方式(パソコン上で行う試験方式)による試験なので、試験終了後、すぐに合格判定されます。
「終了ボタン」を押すと、その後すぐに合否判定がされます。
尚、合格者には試験実施日の翌月末以降、登録のご案内を発送いたします。
キャンセルや変更について
受験日・会場の変更やキャンセルは、CBTソリューションの受験者マイページより受験日の3日前まで可能です。
受験日の2日前からは変更・キャンセルが一切できないとの事ですので、ご注意ください。
テキストは?
外国人雇用支援センターが指定する参考図書は下記の通りです。
外国人雇用支援センターのHPでは、無料のPDF資料がダウンロードできます。
無料ですが、84ページにもわたり外国人雇用の基礎的な知識を学べます。
外国人雇用主任者の資格の取得の有無を検討している人は、まずはこの無料の資料をダウンロードしてみると良いと思います。
過去問について
皆さん気になる所だと思いますが、過去問の公開はされておりません。
受けた感想では、選択肢の文が長めなので、しっかり読む必要があるかな、と思います。
制限時間があるため、少し焦ってしまうかもしれませんが、問題文が「正しいものを選べ」なのか「間違っているものを選べ」なのか、2通りあるので、問題文も落ち着いて読むと良いです。
無料動画「WEBセミナー動画」
外国人雇用支援センターのHPでは、無料のセミナー動画が公開されています。
動画の数もたくさんあり、充実していますので、是非、視聴してみると良いです。
動画視聴はココから:https://eacf.jp/infomation/
勉強方法について
先にも少し触れた通り、勉強方法は2通りあります。
どちらでも、ご自身に合った方法を選ぶと良いです。
①テキストで独学する
参考テキストとされている本を購入し、独学で勉強する事もできます。
また、外国人雇用支援センターのHPにも、関連動画がありますので、そちらも参考にしながら勉強をする事が可能です。
参考テキスト | はじめての外国人雇用 |
中小企業のための外国人雇用マニュアル | |
無料PDF資料 | 外国人雇用の基礎知識 |
無料動画 | webセミナー動画 |
独学のメリット&デメリット
独学のメリットとしては、自分のペースで勉強ができる事と、費用を抑えられる点です。
ただ、デメリットとしては、外国人雇用主任者試験の試験対策ができないため、試験に出やすい箇所や傾向がつかめず、幅広く覚えていかなければいけない可能性があります。
過去問の公開もありませんので、試験対策ができないのが、一番のデメリットかと思います。
②東京リーガルマインドで講義を受講する
外国人雇用主任者試験の勉強のもう一つの方法は、東京リーガルマインドで認定講習を受講するというものです。
通信講座(専用サイト内)で講義動画を視聴し、認定テストを受ける形で資格取得を目指す制度です。
この講座の講習の受講者は一般試験を免除されます。
ただし、受講期間は、毎月15日~月末と決まっています。受講月の前月中に申し込む必要があります。
(例:3月1日~3月31日の間に申込み → 受講期間:4月15日~4月31日)
講座概要・カリキュラム
東京リーガルマインドで受講する場合の動画内容は、下記の通りです。
科目 | 学習内容/使用教材 | 回数 | ユニット数 | 学習時間 |
---|---|---|---|---|
基本講義・ 在留資格編 |
・外国人雇用とは | 全3回 | 約50分 ×3回 |
約2.5時間 |
・在留資格の基礎知識 | ||||
・在留カード | ||||
・外国人雇用の流れ | ||||
・法改正 | ||||
・特定技能ビザと技能実習ビザ | ||||
・企業と登録支援機構の役割 | ||||
・助成金・税金 | ||||
・雇用管理指針 | ||||
基本講義・ 労務管理編 |
労働基準法 | 全2回 | 約60分 ×2回 |
約2時間 |
労働保険と雇用保険 | ||||
労働保険の保険料 | ||||
労働保険給付 | ||||
健康保険・厚生年金保険の意義 | ||||
社会保険の保険料 | ||||
社会保険の保険給付 | ||||
国民年金・厚生年金保険の基本構造 | ||||
演習講義・傾向分析 | – | 30問×1回分 |
受講期間中であれば、何度でも見直すことができます。
認定講習の受講のメリット&デメリット
メリットとしては、動画できちんとポイントを押さえ学ぶことができ、また、受講期間中何度でも視聴できます。
そのため、きちんと整理されて定着が見込め、また、修了認定テストも受講期間中、何度でも受験可能です。
つまり、認定講習を受ければ、基本誰でも合格できるという事です。
デメリットとしては、認定講習の受講料が28,000円(税込)と少し高いという点でしょうか。
ただ、この値段をしっかりと勉強できる勉強料、そして合格がほぼ約束されていると考えれば、決して高くはないと感じます。
勉強時間について
認定講習の動画視聴時間は、約5時間となっております。
ただ、動画視聴だけでは覚えきれない事もあると思いますので、少しは独学の時間も必要だと思います。
独学で勉強する際は、ご自身が現在どの程度、外国人雇用に関する知識をお持ちかで変わってくると思われます。
現在、人事部の方などで日々外国人雇用に関わっている方であれば、割とスムーズに入ってくると思いますが、全く初めてという方は、労働基準法など覚える事が多く、少し時間がかかるかもしれません。
試験自体は難しくないですが、身に付ける事は割と幅広いので、ある程度は、しっかりと勉強できると良いと感じます。
合格後の流れについて
試験に合格したら、外国人雇用支援センターでの登録が必要となります。
試験合格者で、外国人雇用管理主任者として承認された方は、外国人雇用管理主任者として正式に登録で、登録された方には、後日、認定外国人雇用管理主任者としての認定証が発行されます。
なお、登録料は10‚000円(非課税・有効期間 3年間)がかかります。
有効期限は3年間で、3年ごとに更新が必要です。
更新期限満了のおおよそ45日前を目安に、「更新のご案内資料一式」が郵送されるので、それにそって更新手続きが必要です。
まとめ
今回は、外国人雇用管理主任者について、私の実体験を元にまとめました。
試験は、決して難しくないので、外国人雇用に関わっている人、関わりたい人は、勉強してみると良いです。
また、私の様に日本語教師で、日本企業で働く外国人社員に日本語を教えている人にもおすすめの資格です。
独学 | 参考テキスト | はじめての外国人雇用 |
中小企業のための外国人雇用マニュアル | ||
無料PDF資料 | 外国人雇用の基礎知識 | |
無料動画 | webセミナー動画 | |
認定講習の受講 | 東京リーガルマインド |