2024年11月から開始された日本語教師の国家資格「登録日本語教員」試験。
以前からある日本語教育能力検定試験と少し混乱する人もいるようですので、今回はこの2つの試験の違いについて解説していきたいと思います。
【こんな人に読んでもらい】
- 2つの試験の違いを知りたい人
- どちらを受験するか悩んでいる人
- 試験の難易度や費用を知りたい人
【国家試験 日本語教員試験 短期合格パック】東京中央日本語学院
登録日本語教員と日本語教育能力検定試験の違い
簡潔に言うと、国家資格かどうかの違いです。
どちらも日本語教師関する資格ですが、登録日本語教員は国家資格となります。
登録日本語教員
2024年11月から始まった日本語教師の国家資格です。
今後、留学生を対象とした日本語学校で勤務をする際は、必須の資格となります。
留学生に日本語を教えたい!という方は、経過措置期間中に受験をされることをおすすめします。(免除される項目があります)
日本語教育能力検定試験
日本語教育能力検定試験は、毎年10月下旬ごろに行われる試験です。
日本語教師の有資格となるための一つの方法です。
日本語教師養成講座は、大卒以上が受講の条件となりますが、日本語教育能力検定試験は、高卒でも合格すれば、日本語教師の有資格者となれます。
留学生以外の方に教える際は、必ず登録日本語教員試験を受けなければいけないという事ではありません。
比較
登録日本語教員試験と日本語教育能力検定試験の試験について、2024年のデータをもとに比較してみました。
受験資格 | 受験料 | 受験日 | 申し込み方法 | |
登録日本語教員試験 | 制限なし ※現在、現役日本語教師向けに 経過措置期間中 |
受験料最大19,800 円 (試験等免除対象者は減額されます) 登録料4,000円 |
年に1回 (2024年は11月17日でした) |
オンライン (一部郵送) |
日本語教育能力検定試験 | 制限なし | 17,000円(税込) | 年に1回 (毎年10月下旬ごろ) |
完全オンライン |
国家資格の登録日本語教員試験は、まだ、第一回目が始まったばかりのため、今後条件等変更になる可能性があります。
日本語教師養成講座を修了して、現役の日本語教師の方で、自分の経過措置ルートを知りたい方は、登録日本語教員の資格取得に係る経過措置における日本語教員養成課程等の確認を参考にしてみてください。
登録日本語教員試験では、受験料のほかに、合格後、登録料4,000円がかかります。
登録されると、登録日本語教員として、日本語教育機関認定法ポータルに掲載される予定との事です。
個人情報の開示の有無は、個人が選択できるようです。
登録日本語教員試験の難易度
現時点では、登録日本語教員試験についてあまり公開されていませんので、詳しい難易度は分かりませんが、受験された方の話を聞く限り、割と難しい問題もあり、勉強をしっかりしないといけない感じだったようです。
第一回目の試験を受験された先生は、下記の参考書を使い独学で受験されました。
日本語教員試験 対策用語集 | 単行本¥3,080 電子書籍¥2,772 |
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日本語教育能力検定試験 対策問題集 | 単行本¥2,530 電子書籍¥2,277 |
|
日本語教員試験 まるわかりガイド | 単行本¥2,750 電子書籍¥2,475 |
中でも、日本語教員試験 まるわかりガイドが一番役に立ったと言っておられました。
登録日本語教員試験対策講座
独学では、不安に感じる方もいると思います。
すでに多くの日本語学校では、登録日本語教員試験対策講座を開講しています。
現在、始まったばかりという事で、キャンペーン価格で少しお得に受講できる学校が多いようです。
是非、この機会に受講してみても◎です。
学校名 | コース名 | 金額 |
東京中央日本語学院 | 国家試験 日本語教員試験 短期合格パック | 通常133,100円→ キャンペーン中!99,800円(税込) |
ヒューマンアカデミー | 日本語教師に求められる 「必須の教育内容50項目」解説講座 | 63,200円(税込)~ |
KEC日本語学院 | 日本語教員試験対策 合格パックオンラインコース | 通常365,750円(税込)~→ キャンペーン中!234,850円(税込)~ |
ルネサンス日本語学院 | 日本語教員国家試験対策コース | 121,550円(税込) |
カナン東京日本語 | 日本語教員試験 合格対策講座 | 110,000円(税込)→ パック割88,000円(税込) |
千駄ヶ谷日本語教育研究所 | 日本語教員試験対策コース | 99,000円(税込)→ キャンペーン価格90,750円(税込) |
キャンペーンに関しては、今後終了または変更される可能性がありますので、ご注意ください。
日本語教育能力検定試験の難易度
こちらは、例年合格者数は25%~30%程度です。
こちらも、割としっかり勉強しないと合格できません。出題範囲もかなり広範囲ですので、日本語教育関連知識がゼロだと、割と勉強は大変だと思います。
日本語教育能力検定試験対策講座
独学でも勉強はできますが、不安に感じる方は、対策講座を受けてみるのもアリです。
学校によっては、料金に幅がありますので、ご自身が良いと思う学校を選んでください。
選ぶ際のポイントは、質問がどのぐらいできるのかという点です。
独学で息詰まる原因の一つに、分からないことを聞ける相手がいないという事があります。
せっかく対策講座を受講するのであれば、質問がたくさんできるところを選ぶのがおすすめです。
学校/会社名 | ポイント | 受講料 |
ヒューマンアカデミー | 日本語教師養成講座と合わせて受講可能 | 265,810円(税込) ※リスキリング補助金最大70%適用後 |
KEC日本語学院 | 基礎理論講座(44回分)記述の添削指導付き | 103,950円(税込)~ |
東京中央日本語学院 | eラーニング(動画視聴学習)・ライブ授業(オンライン)選択可能 | 55,000円(税込)~ |
千駄ヶ谷日本語教育研究所 | 日本語教育のリーディングスクールとして有名な学校の一つ | 90,750円(税込)~ |
アルファ国際学院 | 模擬試験付き | 88,000円(税込)~ |
株式会社篠研 | 模擬問題約900問、キーワードチェックテスト690問 | 5,500円(月額) 60,500円(年額) ※短期退会可能 |
登録日本語教員or検定試験?
ここまで見てきた通り、この2つの試験はかなり類似しています。
試験内容もほぼ同じであるため、国家資格である「登録日本語教員」試験を受験した方がいいと思います。
その方が、日本語教師として活躍できる場が広がります。
日本語教育能力検定試験合格より、国家資格「登録日本語教員」の方がより多く網羅できるからです。
今後、日本語教育能力検定試験を受けるメリットが正直、あまり見出せません。
現時点では、まだ経過措置期間(令和11年3月31日まで。一部ルートは令和15年3月31日まで)ですので、日本語教育能力検定試験を受験するのは良いと思いますが、移行期間が終了した後、需要がどうなるのか、不明です。
合否発表がされました!
2024年11月に行われた第一回の国家資格「登録日本語教員」の合否が発表されました。
私のインスタをフォローしてくださっている先生方の多くは、合格されたようです。
しかし、中には不合格となってしまった方もいました。
ただ、合格された先生方も、決して簡単な試験ではなかったので、今後受験される方は、しっかりと勉強した方が良いです、とおっしゃっておりました。