令和6年の「外国人雇用状況の届出状況」外国人労働者数は2,302,587人(前年比253,912人増)とのことです。
近年は、コンビニなどでも働いている外国の方も多く見かけるようになりましたよね。
令和6年10月末時点の雇用状況を集計したデータを元にポイントをまとめてみました。
◎外国人労働者数:2,302,587人(前年比253,912人増)
◎外国人を雇用する事業所数:342,087所(前年比23,312所増)
◎国籍別:ベトナム570,708人(24.8%)、中国408,805人(17.8%)、フィリピン245,565人(10.7%)が上位3か国。
◎都道府県別外国人労働者数:東京585,719人(25.4%)、愛知229,627人(10.0%)、大阪174,699人(7.6%)が上位3か国。
◎外国人労働者の産業別:製造業(26.0%)、サービス業(15.4%)、卸売業・小売業(13.0%)
技能実習生の受け入れなどで、年々外国人労働者数は増加傾向にあるようです。
ただ、それに伴い、色々とトラブルはニュース等でも見聞きしますよね。
以前、日本で働いているベトナム人とレッスンをしていました。
レッスン中、企業に対する不満や理解できない点などを、彼らから直接聞いたこともありました。
私は、日本企業(日本人)側の事も理解できるし、でも、ベトナム人側の意見も分からなくもないという、狭間になっていた時がありました。
元人事部として、外国人雇用をしていた立場からすると「なぜ守らないの?」「なぜ、そうなるの?」的な気持ちも理解でき、両方の感覚が分かる(勝手にそう思ってるだけかも笑)気がしています。
そこで、今回は、日本語教師の方で、外国人雇用に興味のある方向けの内容として、取得してみても良いと思う資格を3つ紹介します。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 外国人雇用について勉強したい人
- 日本語教師として幅を広げたい人
- 日本語教師プラスαの資格を取得した人

資格取得するメリット

日本で働く外国の人に日本語を教えるのに、何か特別な資格は必須ではないです。
ただ、今後、日本で働く(働きたい)外国の方とレッスンをしたい人や、その分野の知識を深めたい人には、資格取得に挑戦してみてもいいと思います。
直接日本語教師の仕事内容に、関わるものではないですが、日本で働くもしくは働いている人を対象にレッスンをしているのであれば、取得してみても良いと思います。
《取得するメリット》
・外国人雇用に関して日本語教師以外の視点から考えられるようになる
・在留資格など、より専門的な知識を身に付けられる
・日本語教師の転職活動で、ちょっとプラスになる(かも?)
資格1:外国人雇用労務士(外労士)

外国人雇用労務士(外労士)は、一般社団法人全国外国人雇用推進機構が認定する民間資格です。2022年に新設された、外国人雇用の専門家としての知識と能力を証明する資格となります。
《試験概要》
- 試験方法: IBT方式(インターネット経由でのオンライン試験。自宅可)
- 問題形式: 四肢択一式
- 出題数: 80問
- 試験時間: 120分(本人認証等の時間を含めると2時間30分)
- 受験料: 8,900円(税込)
- 試験時期: 年2回(春・冬)※次回は2025年5月25日(日)10:00〜
試験合格後、登録講習(有料)を受講することで「外国人雇用労務士」として登録され、名刺や履歴書に記載できるようになります。資格の有効期限は2年間で、更新には更新講習の受講が必要です。
試験範囲は、外国人雇用労務士 公認テキストブックに記載されている内容がメインで出題されます。主な内容は以下の通りです。
- 外国人雇用総論: 外国人雇用の現状、必要性、課題など基本的な知識
- 外国人労働者の人権: 外国人労働者の人権に関する法規や留意事項
- 外国人労働者の採用と入管法: 外国人の採用プロセス、在留資格の種類と手続き(特定技能、技能実習など入管法に関する知識が重要)
- 外国人労働者の労務・法務: 労働基準法、労働契約法など労働関係法規の適用、外国人特有の労務管理
- 人事制度と人事管理: 外国人労働者のための人事評価、育成、キャリアパスなど
ちょっと内容が気になったからは、【第1回 外国人雇用労務士試験 直前対策ウェビナー】の動画を見てみてください。
資格2:ガイシ検定

ガイシ検定」とは、一般社団法人全国外国人雇用推進機構(G-JIN)が認定する外国人実習雇用士検定®の通称です。
この検定は、日本で外国人材を法律に基づいて受け入れ、外国人材に関わる実務を適切に行うために必要な知識を習得した人を「外国人実習雇用士」として認定することを目的としています。
ガイシ検定とは略称で、【外国人実習雇用士】検定の事を指します。
正式名称は、[外国人実習応対士®]、及び[外国人材雇用士®]です。
《試験概要》
- 試験方法: IBT方式(インターネット経由のオンライン試験)
- 問題形式: 四肢択一式
- 試験時間: 120分(本人認証等の時間を含むと2時間30分)
- 出題数: 80問
- 受験料: 8,900円(税込)
- 試験時期: 年に3回実施 ※次回は、2025年5月22日(木)18:30~19:50 外国人実習・雇用実戦ガイド
資格有効期限は3年で、更新確認テストを受けることで、保持し続けられます。
試験範囲は、公式テキストブック「すぐに使える!事例でわかる!外国人実習・雇用実戦ガイド 第4版」に基づいて出題され、主に以下の内容が含まれます。
- 外国人雇用総論: 外国人雇用の現状、必要性、課題など
- 外国人労働者の人権: 労働関係法規、人権に関する知識
- 外国人労働者の採用と入管法: 在留資格、採用プロセス、関連法規
- 外国人労働者の労務・法務: 労働条件、安全衛生、社会保険など
- 人事制度と人事管理: 評価、育成、キャリアパスなど
合格者は「雇用士会」に入会することができ、情報交換やスキルアップの機会が得られます。
資格3:外国人雇用管理主任者

外国人雇用管理主任者は、一般社団法人外国人雇用支援中央センターが認定する民間資格です。この資格は、企業などが外国人労働者を雇用する際に、適切な労務管理や法令遵守を行うための専門知識を持つ人材を育成・認定することを目的としています。
《試験概要》
- 試験方法: CBT方式(全国各地のテストセンターでパソコンを使って受験する方式)
- 試験時間: 60分
- 問題形式: 四肢択一式
- 出題数: 50問
- 受験料: 8,500円(税込)
- 合格基準: 70%以上の正答率
- 受験資格: 特になし。誰でも受験できます。
- 試験日程: 通年で随時実施されており、テストセンターの空き状況に合わせて予約できます。
- 合否発表: 試験終了後、すぐに画面に表示されます。
- 登録料: 合格後、外国人雇用管理主任者として登録するには登録料10,000円(非課税)が必要です。登録の有効期間は3年間で、更新が必要です。
有効期限は3年で、更新手続きが必要となります。
試験範囲は、外国人労働者の雇用管理に必要な基礎知識から実務まで幅広くカバーしています。主な内容は以下の通りです。
- 外国人雇用の基礎知識:
- 外国人労働者とは、その社会的背景
- 外国人雇用の現状と課題
- 在留資格の基礎知識:
- 主な在留資格の種類と概要
- 在留資格の確認方法
- 出入国管理及び難民認定法(入管法):
- 重要な改正点
- 外国人雇用に関する主要な規定
- 特定技能ビザ 特定技能外国人:
- 制度の概要
- 受け入れの要件
- 支援計画
- 受け入れ企業・登録支援機関の役割:
- それぞれの責務と連携
- 外国人労働者の採用計画:
- 採用の流れと注意点
- 費用、研修、社内理解
- 労務管理のルール:
- 労働基準法、労働契約法などの適用
- 外国人特有の労務管理の留意点
- 労働保険、社会保険
外国人雇用支援センターのHPでは、無料のセミナー動画が公開されています。動画の数もたくさんあり、充実していますので、是非、視聴してみると良いです。
認定講座について

外国人雇用管理主任者は、認定講座を受講することで取得する事が可能です。
東京リーガルマインドの外国人雇用管理主任者認定講座では、初めて外国人雇用管理を学ぶ方にも理解しやすいよう、動画視聴で繰り返し学ぶことができます。
在留資格の基本的な知識や外国人を雇用する際の流れなど、外国人雇用に関わる基本的な知識を学びます。
私も受講しましたが、外国人雇用をされている人事部の方には、とても役立つ内容だと感じました。
日本語教師として直接関わる内容は少ないと思いますが、自分が教えている外国の方が、どのようなビザで滞在しているのか、特定技能ビザや技能実習ビザは何なのかなど、この辺に興味がある方は、受講してみても良いと思います。

【講座内容】
科目 | 学習内容 | 回数 | ユニット数 | 学習時間 |
---|---|---|---|---|
在留資格編 | ・外国人雇用とは | 全3回 | 約50分 ×3回 |
約2.5時間 |
・在留資格の基礎知識 | ||||
・在留カード | ||||
・外国人雇用の流れ | ||||
・法改正 | ||||
・特定技能ビザと技能実習ビザ | ||||
・企業と登録支援機構の役割 | ||||
・助成金・税金 | ||||
・雇用管理指針 | ||||
労務管理編 | 労働基準法 | 全2回 | 約60分 ×2回 |
約2時間 |
労働保険と雇用保険 | ||||
労働保険の保険料 | ||||
労働保険給付 | ||||
健康保険・厚生年金保険の意義 | ||||
社会保険の保険料 | ||||
社会保険の保険給付 | ||||
国民年金・厚生年金保険の基本構造 | ||||
演習講義 | – | 30問×1回分 | – |
講座視聴後に、修了認定試験を受験し、合格したらその後の案内が登録住所にて郵送されてきます。
修了認定試験は、何度でも受験可能ですので、一回で合格しなくても大丈夫です。
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まとめ
今回は、外国人雇用に関連する資格を3つ紹介しました。
資格名 | 試験方法 | 試験時期 | 受験料 |
外国人雇用労務士(外労士) | オンライン試験 | 年2回 | 8,900円(税込) |
ガイシ検定 | オンライン試験 | 年3回 | 8,900円(税込) |
外国人雇用管理主任者 | テストセンター | 随時 | 8,500円(税込) |
認定講座 | 随時 | 28,000円(税込) |
直接、日本語教師に関わる内容ではないですが、より外国人雇用に関する知識を深めていきたい人は、受験してみても良いと思います。
