日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第1課の学習事項
初級日本語げんき第1課の学習項目は下記の通りです。
- XはYです
- 疑問文
- 助詞「の」
- 電話番号
- 時間
第1課の新出語彙のAdditional vocabularyは、対象の学習者さんが必要としている物のもの導入でもOKです。
特に「国」「専攻」は、必要でなければ省いてもOKです。
第1課の前に
げんきは、初めて日本語を学習する人のために構成されているため、第1・2課にはローマ字が振られています。
しかし、第3課以降は文字が読めないと進める事ができません。
第1・2課終了までに、少なくともひらがなは読めるようにしておかなければいけません。
ひらがな学習のスピードは個人差がありますので、対象の学習者さんの習得スピードを見ながら、進めていくと良いです。
中々覚えられない方だと、第1・2課終了までに、ひらがながモーラできない可能性もあります。
ちょっと厳しいようですが、ひらがなが終わらないと第3課には進めないいった感じで、最初の頃のレッスンでは、ひらがな学習に時間を割いたりして、どうにか第3課までに、全てのひらがな学習を終わられるようにしましょう。


ワークブックにもひらがな練習がありますので、合わせて使ってみると◎です。
①数字&時間
数字は、第1課では100までですが、第2課ではそれ以降の大きい数字を勉強します。
日本語の数字の言い方は、そこまで難しくないので、ある程度、法則が分かった人なら、そんなに苦労せず進めるかともいます。
また、時間の言い方も基本的には「数字+時」で難しくないので、人によっては、スムーズに進めるかと思います。
※「四時」「七時」「九時」の言い方と、「午前・午後」が前に来る点は伝えた方がいいです。
年の言い方は、Useful Expressionsにあるので、「数字+歳」という基本の言い方と、イレギュラーなもの(1歳・8歳・20歳など)を伝えると良いです。
必要でしたら、下記の様に何個か言う練習をしみても良いと思います。

数字や時間で苦労しているようでしたら、まずは、大まかな時間(1時間ごと)だけの練習でもOkです。
何よりも、一番最初に行うレッスンになるかと思いますので、ここで「日本語難しい、できない」と思われやる気を失わさせないように心がけれると良いかと思います。
②電話番号
数字が0~9まで言えるようになったら、電話番号を言う練習をします。
電話番号は、自分の携帯番号・会社・学校・大使館・救急車など、日常生活で使いそうな番号を言う練習をすると良いです。
また同時に、「080–111–1111」は「080の111の1111」という事も伝えましょう。
救急車や消防車の番号・0120がフリーダイアルである事・東京は03スタートなど、ちょっとした情報も盛り込んでみると喜んでもらえる事が多いです。
特に、日本に住んでいる/住む予定の人には伝えてみると良いかと思います。
③XはYです
例文は「メアリーさんはアメリカ人です」となっており、その後の登場人物も学生を意識した内容になっています。
学習者さん自身が学生ではない可能性も十分あるかと思いますので、難しいようでしたら、必要でな単語(2年生や専攻など)は、省いて練習しても良いと思います。
④疑問文
先ほどの「XはYです」に続き「XはYですか」という疑問文になり、グループレッスンならクラス内の人に、色々質問できるようになります。
自己紹介だけでなく、他の人の紹介もできるので、練習も工夫してみると楽しいです。
大人の方向けのレッスンの場合、年齢など言いたくない方もいます。
その際は、「嘘でもOK」「言わなくてもOK」などとして、学習者さんにストレスを与えないように心がけれると◎です。
また、時間の言い方を勉強した後であれば、「今、何時ですか」だけでなく、「今は午前10時ですか」「いいえ、午前10時半です」などと言った練習もできます。
⑤助詞「の」
恐らくここが第1課で少し難しい箇所だと思います。
特に英語表記に引っ張られ、少し混乱する方もいます。
ここでは「Noun1のNoun2」で「Noun2」がmain ideaである事を最初に伝えると◎です。
【例】
メアリーさんのお父さんは、大学の先生です。
(Mary’s Father is a university teacher)
英語の「of」以外にも「の」になる形があるので、下記の様に少し練習をして、慣れてもらうと良いです。

絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第1課は、人によっては、簡単でサクサク進むこともあります。
そんな時は、ちょっと発展した会話練習を取り入れてみるもの一つの方法です。
下記は、私が考えたものですが、もしよかったら参考にしてみて下さい。
このまま使ってもOK、修正してもOK、いずれにしても、何か参考になれば嬉しいです。
