日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第3課の学習事項
初級日本語げんき第3課の学習項目は下記の通りです。
- 動詞(現在形)
- 助詞を・で・に・へ&語順&主題の「は」
- 時の表現
- ~ませんか
- 頻度
尚、げんきは第3課よりローマ字が表記がなくなりますので、最低でもひらがなは分かるようになっていなければテキストを読むことができません。
私の経験でも、この時点でまだ文字が弱い人は一定数いる印象ですので、レッスンの最初に文字の読みを練習したりして、どうにか読めるように進めていけると◎です。


①動詞(現在形)
まず最初の山場として、第3課では、動詞のグループ分け並びに、辞書形→ます形の変換を勉強します。
最初に日本語の動詞は3つのグループに分かれている事を示し、また形がたくさんあるため、今後のレッスンでも様々な動詞の形の変換を学んでいきます。
日本語初級者の多くは、この動詞の変換で苦労するので、少しでも分かりやすく、簡単に伝えられるようにできると良いと思います。
ここは先生の腕の見せ所(?)でもあるかもしれませんね。
私が作っている動詞の変換表がありますので、もし必要でしたらご購入頂ければと思います。
有料ですが、購入後は、編集・修正・配布などご自由にお使いいただけますので、決して高い値段ではないと思います。
フラッシュカードもありますので、授業準備の時短にも繋がります。
気になったら、下記から詳細をご確認いただけますと幸いです。

②助詞を・で・に・へ&語順&主題の「は」
ここでは、一気に全部の助詞を導入するのではなく、徐々に文を長くしていくイメージで、一つずつ助詞を導入します。
ここができるようになると、話せる内容も膨らみますので、たくさん練習して、日本語で会話をする楽しみを、レッスンで提供できると良いですね。
【例】
①私は本を読みます。
②私は図書館で本を読みます。
③私は午前10時に図書館で本を読みます。
「Topic は timeに Placeで Objectを Verb」
ここで、一緒に語順も導入して、日本語の語順と主題の「は」にも慣れると◎です。
尚、助詞「へ」は「に」に置き換え可能な動詞しかないので、全て「に」で練習してOK。(家へ帰ります/家に帰ります など)
下記の様な事に気を付けると◎です。
- 時間の後には「に」がくるが、一部の語彙には「に」が付かないので、忘れずに伝える。
- 「へ」の発音に注意。
- 動詞の否定形も練習。
- 「行く」「来る」の違いに注意。(P93の表現ノート参照)
まだ第3課では、あまり助詞に関して突っ込んだ質問はないと思いますが、助詞は混乱しやすいです。
時々、良い質問(つまり、先生がヒヤッとする様な質問です笑)が来る時があります。
そんな時にも対応できるよう、先生自身も助詞について知識を深めておくのも良いと思います。
下記は、私のおすすめの本です。
イラストもあり、教える時も使えるので、1冊持っておいて損はない本です。
③時の表現
時間をたくさん使うので、必要に応じて、第1課で勉強した時間の言い方を復習してもいいです。(中には、4時や9時、午前・午後の付ける位置など、言い方を忘れている人もいます)
クラスレッスンでもプライベートレッスンでも、相手に質問し合って、1日のスケジュールなどを聞くことができます。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
④~ませんか
ここで、相手を何かに誘うという表現を勉強します。
A:Bさんは、コーヒーを飲みますか。
B:はい。
A:じゃあ、明日、スターバックスに行きませんか。
B:いいですね。
なんて会話が出来そうですね。
ペアになって、できるだけ長い会話を考えてもらったりしても面白いかもしれません。
⑤頻度
ここでは、頻度を表す副詞を用いた表現を勉強します。
「毎日/よく/ときどき」は肯定文ですが「あまり/ぜんぜん」は否定文を使いますので、最初に練習しておくと、その後がスムーズです。
テキストにも質問があります、様々なQAがし合えると楽しいと思います。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
下記は、第3課までに習った語彙や文型を入れた簡単な会話練習です。
これはあくまでも例ですので、色々変更して会話練習に使ってみて下さい。

