日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第11課の学習事項
初級日本語げんき第11課の学習項目は下記の通りです。
- ~たい
- ~たり、~たり
- ~ことがある
- 助詞「や」
第11課の学習文法は多くありませんが、ここの文法は、工夫すればかなりたくさん話してもらえる内容ですので、既習文型・語彙もふんだんに用いて、会話練習ができると良いと思います。
この辺で、人によっては、新出語彙が覚えられておらず、そのため躓いてしまう事もあります。
もし躓いているようでしたら、文法理解に加え、語彙の意味が分かっているのかも考えてみると良いかもです。
げんきのサイトにも、新出語彙に関連する追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
①~たい
「たいです」「たくないです」いずれもます形の「ます」を取る形になります。
《例》
食べます→食べたいです・食べたくないです
げんきは辞書形からの変換を勉強するので、人によっては、ちょっと躓くこともあるかと思います。
「~たがっています」は、誰に使うのかの状況提示を明確にすると伝わりやすいです。
また、「子供は、お菓子が食べたがっています」と助詞に「が」は用いる事が出来ません。
「私は、お菓子が食べたいです」はOKですので、混乱してしまう可能性があります。
「~たいですか。」について
日本語では、相手に対して「~たいですか」という質問をするには、基本的には「~ますか。」を使います。
絶対に使ったらダメという訳ではないですが、相手に注意が必要です。
友達なら「これ、食べたい?」などと言ってもOKですが(この時でも「これ、食べる?」の方が自然です)、上司など目上の人には「これ、食べたいですか。」ではなく「これ、食べますか」と言います。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
②~たり、~たり
「たform+り、たform+ り」の形になります。
た形がすぐに出てこないようでしたら、まずはた形の復習から入ると、思い出してもらえると思います。
ここで、たまに聞かれるのが「いくつまで続けていいですか。」という質問です。
「週末、テレビを見たり、本を読んだり、ご飯を食べたり、寝たり、散歩したりします。」
確かに長く続けられますが、2,3個程度で終わらせた方が良いと思います。
また、ここでは、「~たり、~たり」の文法だけでなく、既習文法も用いて、会話練習、QAができるとより会話に膨らみが出ます。
できるだけ「~たり、~たり」が自然と出るような質問ができると良いですね。
③~ことがある
自分の経験を話せるので、学習者さんも色々話しやすい文法かと思います。
「~ことがありました」と間違える事がありますので、ちょっと注意が必要です。
ここでも、教科書の練習に加え、更に会話を膨らませると、たくさん話して貰えます。
④助詞「や」
たくさんあるうちの2つを言う時に使います。
Noun1やNoun2
《例》
スーパーのかごの中のイラストや写真を見せる

バナナやパンがあります。
リンゴや牛乳が入っています。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第11課で勉強した文型を使った会話問題やQAを考えてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
