日本語を教え始めたばかりの先生、初級学習者向けのクラスで、もっと効果的で楽しい授業を作りたいと考えていませんか?
多くの日本語学校や大学で採用されている教科書『げんき』(第3版)は、会話と文法をバランス良く学べる教材です。
しかし、「どのように教案を組み立てたらいいか分からない」「学生がもっとアクティブに参加できる授業にしたい」と悩む先生も少なくありません。
そこでここでは、私の実体験を元に、『げんき』を使った授業で役立つ教案作成のヒントと、すぐに使える無料ダウンロード教材を紹介します。
単なる文法説明に終わらない、学生の「できた!」を引き出す授業を作りたい方に読んでもらえると嬉しです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- げんきの教科書を使って教えている/教えたい人
- 初級者向け日本語レッスンをしている/したい人
- 教案作成のヒントを探している人
この記事は、げんきのテキストをお手元に用意して照らし合わせてみると、より分かりやすい内容になっています。
げんき(GENKI)第12課の学習事項
初級日本語げんき第12課の学習項目は下記の通りです。
- ~んです
- ~すぎる
- ~ほうがいいです
- ~ので
- ~なければいけません/なきゃいけません
- ~でしょう
げんきⅠの最後の課になりますので、レッスンの中で既習文法や語彙をたくさん使っていけると良いともいます。
またSFも再度確認し、定着を深められると◎です。げんきⅡでは新しい動詞の活用を勉強していきますので、げんきⅠで勉強したことは、第12課が終わるまでに復習できると良いと思います。
①~んです
ここでは、「~です」と「~んです」の違いをきちんと伝えるようにします。
いつ「~んです」を使うのか、場面設定が大切になります。
SFがまだ曖昧な学習者さんには、最初に復習がてらSFのフラッシュカードなどを少しおこなっても良いと思います。
- な形容詞と名詞の場合は「~なんです」
- 過去形は「~だったんです」で「~んでした」とは言わない
「~んです」は理由を聞かれたときや「言いたい・話したい」時に使います。
また、聞き手は理由などを「知りたい・聞きたい」気持ちがある時に使います。
《例》
ご自身で「どうしましたか。」と「どうしたんですか。」をいつ使うか考えてみると、違いが分かってくると思います。
- 体調の悪い人を見たらどちらを使いますか。
- 見た目はいつも通りの人が「すみません、ちょっといいですか」と話しかけてきたら、どちらを言いますか。
②~すぎる
動詞と形容詞に接続します。
動詞:ます形から作ると◎ 食べます→食べすぎる
い形容詞:大きい→大きすぎる
な形容詞:静か(な)→静かすぎる
ここでの「すぎる」はマイナスの意味として勉強します。
口語としては「楽しすぎる」「かわいすぎる」など言えますが、この時点では、マイナスな事を言う時に使うという事を伝えて練習します。
③~ほうがいいです
人にアドバイスをする際に使えますので、クラスの人などに色々アドバイスをする練習をすると楽しいと思います。
前の文法「~すぎる」や「~んです」を使って導入すると復習と導入が一緒にできるので、個人的にはおすすめです。
《例》
(先生が演じるorイラストなどを見せて)
昨日、お酒を飲みすぎました。頭が痛いんです…。
(学習者さんが何か言ってくれたらそれを拾って)
寝た方がいいです。/薬を飲んだ方がいいです。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
④~ので
理由を述べる際は「~から」を第9課で勉強していますので、学習者さんから「から」と「ので」の違いについて聞かれることがあります。
(reason) ので、(situation)。
「ので」の前が理由ですので、順番が逆にならないように気を付けます。
な形容詞・名詞:「だ」→「な」にチェンジ「きれいなので」
※「~から」は「きれいだから」
「ので」を使った文をたくさん作ってもらう練習ができると良いかと思います。
《例》
_______ので、心配しているんです。
_______ので、疲れているんです。
_______ので、お腹がすいているんです。
⑤~なければいけません/なきゃいけません
「なくちゃいけない」「ないといけない」など、色々と言い方がありますが、ここでは、「なければいけません/なきゃいけません」の2つを練習します。
レッスン中、先生がつい別の言い方を言ってしまったりするので、ちょっと気を付けてみて下さい。
ここは、意味はすぐ分かると思いますが、長いのでスムーズに言うのに練習が必要になります。
単純な文でOKなので、言い慣れる練習を大目に取り入れても良いと思います。
げんきのサイトにも、追加アクティビティがありますので、必要に応じて使用してみて下さい。
⑥~でしょう
ここでの「でしょう」は質問に限定していますので、他の用法は教えなくてOKです。
いつどんな相手に使うのかを注意して導入内容を考えると良いです。
他の言い方として「だろうと思います/でしょ?」がありますが、ここは学習者さんの様子を見ながら、場合によっては省いても良いと思います。
まずは「でしょう」の練習が優先です。
第12課最後の文法事項で、SFを使いますので、SFの復習もして、終わらせられると◎です。
絵カード&イラスト
初級の時は、絵カードやイラストを有効に活用して、目からの情報もたくさん取り入れると◎です。
げんきのテキストは対応している絵カードがありますので、購入してみても良いと思います。
その他、私のサイトにもイラストがあり無料ダウンロードできますので、良かったら使ってください。


無料PDFダウンロード教材
第12課で勉強した「ので」を使った練習問題を考えてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
