「日本語教師になりたいけど、どうやったらなれるの?」
周囲に日本語教師の方がいないと、あまり知らない人が多いのではないでしょうか。
また日本語教師と聞くと、「日本人だし、日本語ネイティブだし無資格でも教えられそう」と感じる人も居るかもしれませんね。
そこで、この記事では、どうやったら日本語教師になれるのか、またそれらのメリット&デメリットも一挙にご紹介していきます。
日本語教師の多くは、転職もしくは副業としている方が多く、新卒から日本語教師という方は少ないです。
現在、会社員や主婦の方でも、日本語教師になれるチャンスは大いにあります。
少しでも興味があったら、是非チェックしてみて下さい。
【こんな人におすすめ】
日本語教師になりたい人
セカンドキャリアをお考えの人
仕事に復帰したい主婦の人
海外で働きたい人
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日本語教師になるには
日本語教師になるには、下記の3通りがあります。
①「日本語教育能力検定試験」合格
②「日本語教師養成講座420時間」修了
③大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」修了
既に大学を卒業されており、現在主婦や社会人の人にとって③は現実的ではありませんね。
ですので、多くの日本語教師は①か②の方法で日本語教師になります。
無資格でもボランティア等で日本語を教えている方もいますが、日本語学校で教えるには資格は必要です。
また、今後国家資格となった際にも、資格がある事で優遇措置が取られる可能性があるようですので、日本語教師の資格は持っておく事をおすすめします。
更に、いずれはフリーランスとして働きたいと思っている方も、既に多くの有資格者の日本語教師がいますので、資格は持っておいた方が、より生徒さん獲得に繋がります。
日本語教育能力検定試験について
「日本語教育能力検定試験」は、公益財団法人日本国際教育支援協会が毎年1回、10月に行っている、日本語教育に関する基礎的な知識・能力を検定する試験のことです。
実施場所は、北海道 、東北(宮城)、関東(東京)、 中部(愛知)、 近畿(兵庫)、中国(岡山)、九州(福岡)の7か所ですので、場合によっては、遠方になる可能性があります。
また、海外在住者は当日日本に帰国しなければいけませんので、基本、受けることはできないと思います。
合格率は例年約28%程度で、割としっかり勉強しないと受からないという印象です。
年々難しくなっていると言われておりますので、受ける際は、気合を入れて勉強に取り組んで下さい。
こちらから試験問題例を確認することができます。
日本語教育能力検定試験の勉強では、日本語に関する様々な知識を得ることができますが、日本語教師に一番と言ってもいいぐらい大切な教育実習を体験することができません。
日本語教師養成講座420時間
こちらは、日本語学校等が提供している日本語教師養成のための講座になります。
様々な講座がありますが、選ぶ際は必ず「文化庁届出受理講座」であるかどうかを確認するようにしましょう。
多くの日本語学校では「文化庁届出受理講座の日本語教師養成講座420時間を修了した」事が採用の条件になります。
420時間と聞くと大変なイメージを持ち「養成講座ではなく、検定試験を受けて日本語教師になろう」と思われる人もいるかと思います。
日本語教師養成講座と日本語教師検定試験の大きな違いは、教育実習の有無になります。
日本語教師になって感じるのは、知識はもちろんですが、教壇に立ってレッスンをする事が先生としての最大の使命です。
元々人前に出て話すのが得意な人であれば良いかもしれませんが、実際に人前でレッスンをするという経験は、日本語教師としてデビューする前に、必ず必要になると思います。
日本語教師養成講座では、教育実習をして、経験を積むことができます。
新型コロナウイル流行以前は、日本語教師養成講座は基本的に「通学」のみ、または「一部通信やeラーニング」でしたが、コロナ渦で日本語学校もオンラインやeラーニングへの対応が進み、現在は、完全オンライン(通信講座)のみで受講することが可能な学校もあります。そのため、遠方にお住いの方でも、日本語教師養成講座の受講がしやすくなりました。
オンライン上でも、人に物を教える経験ができる学校もありますので、こういった経験があまりない人は、養成講座の受講を検討してみるといいでしょう。
「教壇に立つ」経験をしておきたい人、同じ時期に日本語教師になろうとしている仲間に出会いたい人は、養成講座に通う方がおすすめです。
大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」修了
こちらは、現在大学生の方、またはこれから大学に通う方が目指せる所になります。
もし、現時点で日本語教師または、日本語を教えるという事に少しでも興味があるのであれば、取得しておいても良いかと思います。
私が、日本語教師養成講座に通っていた際、大学生の男の子がおり、副専攻で日本語教育を選択しておりましたが、より日本語教師としての知識を深めたいという事で、別途日本語教師養成講座にも通っていました。
どうちらか一方のみでも問題はないのですが、彼の様に2つを修了するという人も稀ですがいます。
(参考:日本語教師養成課程を実施する大学一覧)
自分はどれに当てはまりますか?
- 一人でコツコツ勉強するのが得意な人⇒日本語教育能力検定試験受験
- 仲間を作りながら、より日本語教師をイメージしていきたい人⇒日本語教師養成講座420時間受講
- 現在、大学生orこれから大学生で日本語教育に興味のある人⇒大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」修了
日本語教育能力検定試験は独学でいける?
結論、独学で勉強できます。
割とガッツリしっかり勉強しないといけませんが、独学で合格できます。
ただ、初めて日本語教師について勉強する人にとっては、中々難しい内容だと思います。
言葉を覚えるだけでなく、言語の発音記号のような問題があったり、授業の中でどのような対処をするとよいかが問われたりする場合もあります。
全く、日本語教師を経験した事の無い人にとっては、想像に頼らざるを得ない事もある可能性があり、ボランティアなどでも良いので、多少、日本語教師をイメージできる人が独学で検定試験を受けた方が合格しやすいと思われます。
私もそうなのですが、日本語教師養成講座に通って、そして日本語教育能力検定試験を受けた方が、内容の飲み込みは断然スムーズです。
高卒や短大卒でも日本語教師になれるの?
冒頭にご紹介した通り、日本語教師になるには、下記の3つのいずれかを修了している事が条件となります。
①「日本語教育能力検定試験」合格
②「日本語教師養成講座420時間」修了
③大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」修了
大卒以上であれば、いずれか1つクリアしていればOKですが、高卒・短大卒の場合は、①「日本語教育能力検定試験」の合格が必須になります。
しかしながら、昨今、日本語教師の求人には「大卒以上」が条件とされている学校が多くあります。
①「日本語教育能力検定試験」の合格のみならず、②日本語教師養成講座420時間修了も合わせてクリアしておいた方が良いかもしれません。
また、今後日本語教師資格が国家資格化において、現時点で既に日本語教師として活躍されている方は、高卒・短大卒でもOKですが、もしかしたら、新しく日本語教師になりたい高卒・短大卒の方は、条件に合わなくなる可能性が出てきています。
もし、高卒・短大卒で日本語教師になりたいという方は、日本語教師が国家資格化する前に、早めに資格を取得して働き始めておくといいでしょう。
今すぐに日本語教師になりたいとは思わなくても、今後のために大卒資格を取得しておきたい人には、通信制大学に通うという方法もあります。
海外で日本語教師資格取得できるってホント?
はい、本当です。
オーストラリアで日本語教師養成講座を開講している企業と学校があります。
日本で日本語教師として活躍したい人は、受講は控えた方がいいです。
海外で行われている日本語教師養成講座は、文化庁届出済みでありません。
日本の日本語学校で働く際の条件は「文化庁届出済みの日本語教師養成講座420時間終了」であることが大多数です。
そのため、同じ内容を勉強したとしても、文化庁届出済みでなかったら、採用条件をクリアしていない事になりますので、ご注意下さい。
文化庁国語課に届出を行い、受理されている日本語教師養成研修実施機関・団体は以下の通りです。
日本語教師養成研修実施機関・団体
今後、日本で日本語教師になる予定の無い方(海外で活躍予定の方)であれば、海外に居ても全てオンラインで受講できるため、とても良い講座です。
ただし、海外に居ても、日本にある日本語学校のオンラインレッスンをしたい場合は、採用条件の「文化庁届出済みの日本語教師養成講座420時間終了」をクリアできない可能性がありますので、ご注意下さい。
【オーストラリアで日本語教師養成講座を開講している企業並びに学校】
メリット&デメリット
ここまで、日本語教師になるために必要な事をご紹介してきましたので、ここでそれぞれのメリット&デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット | メモ | こんな人におすすめ | ||
① | 日本語教育能力 検定試験受験 |
独学が可能で、 資格取得の費用を抑えられる。 |
教育実習経験が積めない。 日本語教育知識ゼロだと、 飲み込みに時間がかかる可能性あり。 |
検定試験合格者対象の 教育実習のみの講座がある 学校がある。 |
資格取得費用を 抑えたい人 |
② | 日本語教師養成講座受講 (文化庁届出済み) |
実際の日本語教育現場を感じられ、 仲間を作れる。 |
養成講座受講費用、 期間がかかる。 |
費用は約50万~。 期間は約半年~。 |
時間をかけて仲間と一緒に じっくり学びたい人 |
③ | 大学・大学院で 「日本語教育主専攻(または副専攻)」受講 |
学生時代に、 日本語教師資格を取得できる。 |
現在、社会人・主婦の人には 受講は難しい。 |
現在大学生または、 今後大学生になる人 |
|
④ | 海外で 日本語教師養成講座受講 |
全てオンラインで受講できるので、 国外からも受講可能。 |
「文化庁届出済み講座」ではないので、 日本にある日本語学校で働くのが 難しい可能性あり。 |
費用は文化庁届出済み講座 の半分程度。 |
海外に住んでいて、 今後も海外で活躍したい人 |
尚、先に記載した通り、高卒・短大卒の方は①の「日本語教育能力検定試験」の合格は必須となります。
また、海外に住んでいても、日本にある日本語学校のオンラインレッスンを行う際は、文化庁届出済み講座修了が条件となる可能性が大きいですので、資格取得後、ご自身がどのような場所で活躍していきたいかも考えてみるといいです。
コロナの影響で、日本にある日本語学校も、急遽全てオンラインでも文化庁届出済み講座として認められる様整備を進めてきました。
そのため、日本にある日本語学校が提供している日本語教師養成講座の中でも、全てオンラインで受講可能な所があります。
遠方にお住まいの方、海外にお住いの方でも、文化庁届出済みの日本語教師養成講座420時間を修了できるようになっています。
もちろん、費用は倍ぐらいかかってしまいますが、どちらがご自身に合っているか検討した上で選択してください。
まとめ
今回は、日本語教師になるには4通りの方法がある事をご紹介しました。
- 日本語教育能力検定試験合格
- 日本語教師養成講座修了(文化庁届出済み)
- 大学・大学院で「日本語教育主専攻(または副専攻)」受講
- 海外で日本語教師養成講座修了(文化庁届出無し)
ボランティアや無資格で、近所の公民館等で日本語を教えている方もいると思いますが、日本語学校で働きたい場合は、資格取得は必須にです。(多くの学校が採用条件としています)
また、海外に住んでいてオンラインで日本語を教えたい人も、既にオンライン日本語教師はたくさんいますので、資格があった方が、生徒さんを獲得しやすいと思われます。
どのような働き方をしたいのか、どこで教えたいのかによっても最適な方法は変わってくると思いますので、一番ご自身の目的に合っている選択をしてみて下さい。
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