海外で日本語教師になりたい人の中には、東南アジアの国に興味がある方も多くいらっしゃると思います。
実際に私が日本語教師養成講座を受講していた際、同じクラスの方で、タイで日本語教師になりたいという方がいらっしゃいました。
東南アジアの国の人は、日本語を学んでいる人も多くおり、求人も割とよく見かけます。
そのため、海外で日本語を教えたいという人には、おすすめの地域になります。
そこで今回は、東南アジアでもタイに注目して、タイでの日本語教育事情や、タイ・バンコクで受講できる日本語教師養成講座についてご紹介します。
【こんな人に読んでもらいたい】
タイで日本語教師になりたい人
海外で日本語教師になりたい人
東南アジアの国に興味がある人
日本語教師で海外移住したい人
タイの日本語学習者数
タイは、東南アジアでは、インドネシアに続き2番目に日本語学習者数が多いとされています。
(参照:国際交流基金・2021年度 海外日本語教育機関調査東南アジア版)
日本が好きというだけでなく、将来、日本で就職したい・留学したいと希望する学生も多くいる傾向です。
そのため、タイでは、日本語教育の需要は多くあると言えます。
実際に、私も時々日本語教師の求人情報をチェックしていますが、タイでの求人は、割とよく見かけます。
もちろん、給料はタイのバーツ支払いになりますが、場合によっては家の補助だったり、渡航費用の補助などがある場合もあり、割と良い求人だと思われます。
タイでの日本語教師の求人
タイで日本語教師として就職するのは、すごく難しい訳ではありません。
求人も一定数ありますし、ビザサポートをしてくれる場合も割とよく見かけます。
また、年齢が少し上でも、寛大に受け入れている日本語教育機関も見受けられます。(50歳程度まで応募可能など)
更に、昨今タイへ多くの日本企業が進出している影響もあり、日本語学習者数は、常に多くいるようです。
- 日本との経済的なつながり: タイと日本の経済的な取引や投資が増加しているため、ビジネス目的やキャリアアップのために日本語を学ぶ人が増えています。
- 観光業の発展: タイは日本人観光客の人気のある目的地の一つであり、これにより観光業関連で働く人たちが日本語を学ぶ傾向があります。
- 文化的な交流: 日本のポップカルチャー、アニメ、マンガなどがタイで人気であり、これが日本語学習の動機となっている可能性があります。
- 教育機関でのプログラムの拡充: タイ国内の大学や語学学校で、日本語教育のプログラムが充実していることがあり、これが学習者数の増加に寄与しています。
この様な影響もあり、タイに住んでいる日本人数は、2023年10月現在、外務省によるデータ発表によると、72,308名の日本人が住んでいるとの事です。
これは、国別邦人数第5位になります。(外務省:海外在留邦人数調査統計2023年10月版)
タイでの日本語教師の求人は、オンライン・ボランティア・現地学校(または企業)での就職の3つのタイプがありますので、ご自身の希望に合った働き方を選ぶと良いでしょう。
【タイでの日本語教師の求人掲載があるサイト一覧】
- 日本語教師の集い
- NIHON MURA(日本村)
- 日本語教育学会
- そうがく社
- 国際日本語研究協会
- 日本語教師ジョブ
- 日本語オンライン
- 国際交流基金
年によって派遣先の国は異なりますのでご注意ください。 - アジア科学教育経済発展機構
様々な求人に交じって、タイでの就職の求人が掲載されていますので、見逃さないようにしてください。
「海外求人」など絞れるサイトでは、できるだけ絞って検索した方がすぐに見つけられます。
タイの日本語教師求人例
実際に、2024年1月現在、求人掲載があるものを例として挙げます。
割とタイの求人は、年齢が上でもビザサポートをしてくれる事が多いので、長期的に海外に住みたい、海外移住をしたい人にはおすすめです。
【求人例(実際に掲載があったものを一部抜粋しています)】
1. 募集機関名:タイ国 キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)高等専門学校
2. 職種と募集人数
[職種]
日本語教員常勤
[人数]
2名(新年度になり、クラス数増加のため)
3. 業務内容
(1) 直接法による1年生から5年生の学生への日本語教育
(ゼロ初級~JLPT N2レベル)
(2) タイ人教職員との協働による学校運営の業務支援
(3) 前述以外の業務については、双方の協議・合意により決定
4.募集条件
(1) 2024年3月18日~4月17日の期間のいずれかの日から勤務開始可能な方
(渡航は勤務開始の 2-3 日前を予定)
(2)大学を卒業又は大学院を修了した方
(3)下記のいずれかに該当する方
a. 大学等の日本語教育関連課程修了者
b. 日本語教育能力検定試験合格者
c. 日本語教師養成講座420時間コース修了者
(4) 基礎的なIT スキルを有する方
(Microsoft Teams, Google classroomなど)
(5)50歳以下の方
5. 待遇
(1) 給与
月額 50,000 バーツから 60,000 バーツ
(特別クラスを担当の場合、別途手当を支給する)
(2) 授業:週 8-12 コマ程度(1 コマ 50 分。ただし、繁忙期は左記を超えるコマ数となる可能性があります。)
(3) 休暇: 原則週休 2 日 KOSEN-KMITLの規則に従い有給休暇あり
(4) 渡航前のパスポート・ビザ、タイ滞在時のビザ延長・ワークパーミット: KOSEN-KMITLが申請用レターを準備。取得手続きは支援あり。費用は自己負担。
(5) 渡航費:航空券(往路)エコノミークラス
(6) グループ保険:Group Life Insurance / Group Accident Insurance
(7) 契約期間:1 年間(更新可能)
※3カ月の試用期間があります。
6.応募方法
【必須書類】
(1)履歴書
(2)日本語教育歴申告書:和文 1 通
(3)応募理由書:和文 1 通(1200 字程度 様式自由)
※下記の内容を踏まえて書いてください。
専門日本語教育(理工系であれば尚可)の経験及び興味
日本語の自律学習支援の教材やツールの開発等の経験または興味
【任意書類】日本語教育能力検定試験合格者及び日本語教師養成講座 420 時間コース修了者の方
(1) 日本語教育能力検定試験合格証明書の写し1通
(2) 日本語教師養成講座 420 時間コース修了証明書の写し1通
7. 2次選考(オンライン)について
書類選考後、2 次選考(オンライン)についての案内を送付します。2 次選考
は、日本語教育専門員及び KOSEN-KMITL 選考委員が、筆記試験及び面接試
験(模擬授業、専門口頭試問を含む)を実施します。面接試験では、英語
(あるいはタイ語)での面接も行います。
上記の様な求人であれば、応募できる方の層も広がると思います。
タイ・バンコクで受講できる日本語教師養成講座
タイ・バンコクにあるLSEアカデミーでは、海外在住日本人の方を対象に、日本語教師養成講座を開講しています。
ただし、文化庁届出済みの日本語教師養成講座420時間ではありませんので、ご注意ください。
ここで開講されている日本語教師養成講座では、日本語教育能力検定試験に合格するための内容をメインに勉強します。
実際に、ご自身が教育実習を行ったりすることは、無いようです。
タイ以外の国にお住まいの方は、動画視聴が可能となっています。
今後、日本語教育能力検定試験に合格したいと考えており、現在既にタイにお住まいの方であれば受講しても良いと思いますが、この講座を受講しただけでは、特に資格取得とはならない旨、ご留意ください。
学習内容
LSEアカデミーで学べる内容は、下記のとおりです。
内容 | 回数 | コマ数 |
「オリエンテーション」及び「言語と心理」 | 3 | 9 |
言語と社会 | 4 | 12 |
社会・文化・地域 | 3 | 9 |
言語と教育 | 7 | 21 |
言語一般 | 11 | 33 |
聴解 | 7 | 21 |
記述 | 3 | 9 |
集中講義「教案・模擬授業編」※1 | 1 | 3 |
集中講義「オンラインレッスン編」※2 | 1 | 3 |
総まとめ実践演習 | 10 | 30 |
合計 | 50回 | 150コマ |
※1「教案・模擬授業編」では、日本語の授業で使う【教案】を解説し、講師による【模擬授業】が見れます。
※2「オンラインレッスン編」では、オンラインレッスンで必要となる準備について学べます。
講師による実際のオンライン授業も見れます。
名前が「日本語教師養成講座」となっておりますが、日本語教育能力検定試験対策と言った方が内容的には、良いかと思います。
教育実習はできませんので、この講座を受講後、教壇に立つ経験を積みたい人は、別途別の学校等で教育実習コースのみを受講することも可能です。
費用
LSEアカデミーの講座の費用は、下記の通りです。
入学金 | ¥4,000 |
受講料 | ¥258,000 |
テキスト代 (国際郵送料込み)【特典適用の場合は無料】 | ¥19,800 |
副教材代 (国際郵送料込み) | ¥11,000 |
Aランク問題集「かくもん500」 | ¥3,600 |
合計 | ¥296,400 |
尚、タイに既にお住まいの方は、バーツで支払う事もできます。バーツ払いを希望の方は、コチラのページをご確認ください。
文化庁届出済みの日本語教師養成講座と比較すると、費用は安いです。
ただし、何度も言いますが、この講座を受講しただけでは、日本語教師の資格取得とはなりませんので、その分安いと思ってください。
通常、文化庁届出済みの日本語教師養成講座は、約50万円程度します。
LSEアカデミー卒業生の就職実績
日本語教師養成講座受講後、実際にどのような場所に就職しているのか気になる方も多いはずです。
タイでの日本語教師養成講座になりますので、修了後もタイでの就職を希望する人も多いようです。
【タイ国内】
- 独立行政法人国際交流基金 バンコク日本文化センター
- 公益財団法人国際人材育成機構(アイムジャパン)
- タイ政府認定「技能実習生」送出機関
- タイ早稲田日本語学校
- 泰日経済技術振興協会付属語学学校(ソーソートー / TPA)
- タイランゲージ・ステーション
- Dok-Mally school
- さくら日本語学院
- NIST International School(NIST)
- Bangkok Pattana School
- American School of Bangkok(ASB)
- Wells International School
- Australian International School Bangkok (AISB)
- Bangkok Christian College(BCC)
- タイ国内現地校(ローカル校)《公立・私立の中学校、高等学校》
- 日系企業(社内日本語教師) その他
【日本国内】
- 独立行政法人国際交流基金(EPAインドネシア派遣)
- 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO日本語教育センター)
- 大学附属 留学生別科(日本語課程)
- 専門学校(日本語学科)
- 千駄ヶ谷日本語学校
- アークアカデミー
- 大原日本語学院
- ECC日本語学院
- 東洋言語学院
- Coto Japanese Academy
- オンラインレッスン特化型日本語教育機関(企業内日本語研修) その他
タイ以外でも、日本国内の日本語学校に就職している方も多くいるようです。
しかし、日本国内の日本語学校への就職は、必ず日本語教育能力検定試験に合格する必要があります。
LSEアカデミーの講座受講後、日本語教育能力検定試験に合格してから、就職活動が開始できます。
講座受講しただけでは、日本国内の日本語学校(留学生を対象としている学校)への就職は、基本できません。
現在は、留学生を対象としていない学校や企業でも、日本語教師の資格取得は必須となっている事が多いので、その点も忘れずにいてください。
繰り返しになりますが、LSEアカデミーの講座を受講しただけでは、日本語教師の資格は取得となりません。
タイの日本語教育情報
ここまで、タイでの日本語教育や日本語教師養成講座についてみてきましたので、恐らく最後までみて下さっている方は、タイでの日本語教育情報も知りたいと思う方が居るでしょう。
下記のサイトでは、タイの日本語教育情報が発信されています。
場合によっては、求人情報があったりもしますので、興味のある方は、是非チェックしてみて下さい。
まとめ
今回は、タイの日本語教育事情や日本語教師養成について記事にしました。
東南アジアは、インドネシア・タイ・ベトナムでかなり多くの日本語学習者が居ます。
そのため、現地での就職の求人も割と多く見かけます。
また、これらの国は、年齢制限が緩やかだったり、ビザサポートをしてもらえたりすることが多いので、これから海外移住を目指す方などでも、挑戦しやすいと思います。
実際に、現地就職をしなくても、オンラインレッスンなどで東南アジアの方へ教える機会も多くあるかと思います。
この記事が、タイで日本語教師になりたい人・タイの国の人に日本語を教えたい人の役に立てば幸いです。