既に日本語教師資格が国家資格化することがきまっており、令和5年12月には試行試験が行われました。
この結果を受け、今後より詳細な条件等が発表される見通しです。
そんな中、令和6年3月29日に、必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等の一覧が発表されました。
既に日本語教師養成講座を修了している方は、自分が卒業した学校が対応済みなのか、また、これから養成講座の受講を検討している人は、その学校が対応しているのか確認しましょう。
対応校の募集は、令和6年5月13日までとなっております。
そのため、現時点で一覧に載っていない学校も、追って追加される可能性があります。
これから養成講座の受講を検討している人で、現時点で一覧表に記載のない学校を検討中の方は、一度学校側に確認してみても良いかもしれませんね。
国家資格の必須50項目とは
必須の教育内容50項目とは、登録日本語教員になるうえで、必ず実施されるべき内容の事です。
この必須50項目が全て網羅されている学校として、必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等の一覧が発表されました。
【必須の教育内容50項目】
①【社会・文化・地域】
(1)世界と日本の社会と文化 (2)日本の在留外国人施策 (3)多文化共生 (4)日本語教育史 (5)言語政策
(6)日本語の試験 (7)世界と日本の日本語教育事情
②【言語と社会】
(8)社会言語学 (9)言語政策と「ことば」 (10)コミュニケーションストラテジー (11)待遇・敬意表現 (12)言語・非言語行動
(13)多文化・多言語主義
③【言語と心理】
(14)談話理解 (15)言語学習 (16)習得過程(第一言語・第二言語) (17)学習ストラテジー (18)異文化受容・適応
(19)日本語の学習・教育の情意的側面
④【言語と教育】
(20)日本語教師の資質・能力 (21)日本語教育プログラムの理解と実践 (22)教室・言語環境の設定 (23)コースデザイン
(24)教授法 (25)教材分析・作成・開発 (26)評価法 (27)授業計画 (28)教育実習 (29)中間言語分析
(30)授業分析・自己点検能力 (31)目的・対象別日本語教育法 (32)異文化間教育 (33)異文化コミュニケーション
(34)コミュニケーション教育 (35)日本語教育とICT (36)著作権
⑤【言語】
(37)一般言語学 (38)対照言語学 (39)日本語教育のための日本語分析 (40)日本語教育のための音韻・音声体系
(41)日本語教育のための文字と表記 (42)日本語教育のための形態・語彙体系 (43)日本語教育のための文法体系
(44)日本語教育のための意味体系 (45)日本語教育のための語用論的規範 (46)受容・理解能力 (47)言語運用能力
(48)社会文化能力 (49)対人関係能力 (50)異文化調整能力
(参照:文化庁発表・日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(仮称)の検討状況について令和4年12月)
必須の教育内容50項目に対応している学校では、上記の内容全て学ぶことになります。
必須50項目未対応の場合はどうなる?
結論、未対応でも問題ありませんし、登録日本語教員になる事はできます。
ただし、登録日本語教員になるために、講習を受けないといけません。
令和6年4月現在で発表されている、登録日本語教員になるためのルートは6通りあります。
① | 「日本語教育能力検定試験」合格 & 昭和62年4月1日~平成15年3月31日に合格 |
② | 「日本語教育能力検定試験」合格 & 平成15年4月1日~令和6年3月31日に合格 |
③ | 「日本語教師養成講座420時間」修了 & 必須の50項目に対応した課程修了 |
④ | 「日本語教師養成講座420時間」修了 & 必須の50項目に対応前の課程修了 |
⑤ | 大学・大学院で「日本語教育主専攻(副専攻)」修了 |
⑥ | 現役日本語教師だが、※1以外の方 |
それぞれ、免除される事、受講しなければいけない事が異なります。
詳しくは、下記のブログにも書いていますので、良かったら合わせて読んでみて下さい。
登録日本語教員への影響
必須の教育内容50項目に対応した学校の日本語教師養成講座を修了した場合、登録日本語教員になる際に「基礎試験」と「実習研修」が免除となります。
応用試験のみで国家資格の登録日本語教師となれます。(Cルート適用)
(参照:第5回登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の登録手続き等の検討に関するワーキンググループ(R5.11.2))
現役の日本語教師の方でも、何かしら講習か試験は受けなければいけませんが、必須の教育内容50項目に対応した学校の養成講座修了の場合は、少し楽に登録日本語教師になれます。
必須の教育内容50項目対応校一覧表
文化庁発表の必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等の一覧では、全国の学校が50音順で記載されています。
学校名だけでなく、対応しているコース名と実施期間もチェックして下さい。
対応している実施期間に修了していないと、受講済みとはみなされません。
(下記の図をクリックするとPDFが見れます)
必須の教育内容50項目の学び直し
現在、日本語教師養成講座を受講中の方や、修了後に日本語教師を目指している方、現職の日本語教師の方で、必須の教育内容50項目をもう一度勉強し直したいと思う方もいると思います。
正直、私自身も養成講座修了から時間が経ってしまって、全ての内容を覚えているかと言われると不安です。
そんな方のために、ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座では、新たに「必須の教育内容50項目」解説講座が加わりました。
既に日本語教師養成講座を修了している方は、「必須の教育内容50項目」解説講座のみの受講も可能です。
eラーニングですので、ご自身のペースで学習可能です。
まとめ
今回は、必須の教育内容50項目に関する事について書きました。
確認しておいてほしいのは、下記の2点です。
- 必須の教育内容50項目に対応していると登録日本語教師Cルートが適用される
- 必須の教育内容50項目に対応していなくても登録日本語教師になれる
ご自身の卒業校が対応しているのか、もしくは、受講を検討している学校が対応しているのか確認してみて下さい。
現時点で対応していなくても令和6年5月13日まで受け付け中ですので、今後追加になる可能性はあります。
また、新しい情報が発表され次第、こちらも更新します。