フリーランスとして日本語を教え始めたばかりの頃、正直に言うと「学習者管理」というものをあまり意識していませんでした。学習者の数もまだ少なく、なんとなく頭の中で覚えていられたからです。
けれど教える人数が増えるにつれて、それでは立ち行かなくなりました。
「前回どこまで進んだか」「この人の目標は何だったか」を思い出すのに時間がかかるようになり、これでは一人ひとりに丁寧なレッスンを提供できないと感じるようになったのです。
そこで自分なりにExcelで管理シートを作り始めました。
ただ、実際に使いながら「あ、この項目も必要だ」「これも記録しておきたい」と気づくたびに列を足していった結果、シートはどんどん複雑になり、気づけば自分でも見づらい、使いづらいものになっていました。
この記事では、そうした試行錯誤の末に「この項目とシート構成があれば十分かな?」とたどり着いた、学習者管理シート(Excel)を無料で配布します。
テンプレートをダウンロードしてすぐ使える状態にしてありますので、よければ最後まで見てもらえると嬉しいです。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 学習者さんの管理を行いたい人
- 学習者さんごとに目標やレベルの管理をきちんとしたい人
- 管理シートに盛り込む内容が分からない人
こんな悩みを抱えていませんか
・学習者が増えてきて、だんだん把握できなくなってきた
・レッスンのたびにノートやメモアプリがバラバラで、後から見返しづらい
・支払い状況(未払い/支払い済みなど)を毎回確認するのが面倒
・学習者さんごとの目標やレベルをすぐに思い出せない
・どんな項目を作ればいいのか分からない
もし、少しでも思い当たる節があるようでしたら、是非ダウンロードして使ってみて下さい。
なぜ学習者管理が必要?
日本語学校に所属していれば、学習者の情報や進捗は担任の先生や専用のシステムを使った行う事かと思います。
しかしフリーランスの場合、それをすべて自分ひとりで行うことになります。
学習者管理が必要な理由は、単に「情報を整理してすっきりさせるため」ではありません。
学習者一人ひとりに合ったレッスンを継続して提供するために、必ず必要な事だと思います。
日本語教師の仕事は、同じ文法項目を教えるにしても、学習者の背景や目的によって教え方を変える必要があります。
仕事で使うために学んでいる人と、生活のために学んでいる人とでは、同じ「て形」を教えるにしても、導入や応用練習、会話の内容など異なります。
「その人に合った」レッスンを提供するために、学習者管理はとても重要だと感じます。
では、次に学習者管理に関するメリット&デメリットを見ていきましょう。
メリット
・進捗がすぐに分かる
・学習者ごとの目標やつまずきやすい点を踏まえた、一人ひとりに合ったレッスンを提供しやすくなる
・支払い状況を正確に把握でき、請求もれや確認漏れを防げる
・学習者が増えても対応できる
・レッスン記録が蓄積されることで、学習者に成長を具体的に伝えられ、信頼関係にもつながる
デメリット
・前回教えた内容を忘れて同じ説明を繰り返してしまう
・学習者ごとの目標を見失い、その人に合ったレッスン内容を提供できない
・支払いの確認や請求のタイミングを逃してしまう
・学習者が増えるほど対応の質にばらつきが出て、結果的にリピートや紹介につながりにくくなる
・記録が残っていないため、学習者から「これまでの成長」を聞かれたときに具体的に答えづらい
こうした理由から、学習者管理は「余裕があればやること」ではなく、フリーランスとして質の高いレッスンを続けていくための必須だと感じています。
ここからは、実際に私が使っている管理シートの中身を紹介します。
このテンプレートでできること
配布するファイルは、Excel形式で以下の4枚のシートで構成されています。

① 使い方シート
シートの構成と入力ルールをまとめたページです。
初めて開いたときに迷わないよう、要点だけ簡潔にまとめております。
② 学習者プロフィールシート
学習者一人につき1行で、氏名・国籍・母語・レベル(JLPT相当)・学習目的・レッスン形態・料金・支払い状況などを管理します。
「レッスン形態(単発/回数券/月謝制)」「支払い状況」「学習目的」などはプルダウンで選べるようになっています。
プルダウンの内容も変更できるようになっていますので、必要に応じてアレンジしてお使いください。
③ レッスン記録シート
レッスンを行うたびに1行ずつ追記していく記録用のシートです。
「今日教えた文法」「使った教材」「宿題」「理解度」「次回やること」を簡単に残せます。理解度も◎○△×のプルダウンで入力できます。
学習者さんが増えてもシートを分ける必要はありません。
表を「テーブル化」してあるので、見出しの▼ボタンから学習者IDでフィルターをかければ、特定の学習者のレッスン履歴だけを一瞬で絞り込めます。
全ての学習者さんの記録を同じシートに足して書いていき、フィルターをかけて、学習者さんごとの内容を見ていけるようになっています。
④ 学習者別ビューシート
これが個人的には、一番良いと思っているシートです。
プルダウンで学習者IDを選ぶだけで、対象の学習者さんのプロフィールと、これまでのレッスン履歴が自動的に一覧表示されます。
レッスン前に「この人、前回どんな感じだったっけ?」と思っても、すぐに確認できます。
テンプレートのダウンロード
エクセルファイルはこちらから無料でダウンロードいただけます。
使いやすいよう、修正・変更などアレンジ自由です。
ダウンロードはこちら▼
ダウンロード後は、黄色いセルに入っている入力例を参考にしながら、ご自身の学習者情報に書き換えてお使いください。
よくある質問
Q. Googleスプレッドシートでも使えますか?
A. はい、使えます。
Excelファイルをそのまま開いても、Googleスプレッドシートにインポートしても問題ありません。
ただしプルダウン(入力規則)や自動表示の一部機能は、インポート後にGoogleスプレッドシート側で再設定が必要になる場合があります。
Q. 学習者数が増えても大丈夫?
A. はい、大丈夫です。
レッスン記録は1枚のシートに追記していく形式なので、学習者が増えてもシートが増えることはありません。
学習者ごとの履歴はフィルターや「学習者別ビュー」で個別に確認できます。
Q. 追加・変更は可能?
A. もちろん、可能です。
列の追加や項目名の変更は自由に行っていただけます。
プルダウンの選択肢を増やしたい場合は、シート内の右側にある「選択肢リスト」欄に項目を追記すれば反映されます。
Q. 対面とオンライン、両方の管理ができますか?
A. はい、できます。
学習者プロフィールシートに「レッスン形態」の項目があるので、対面・オンラインを問わず同じシートで一元管理していただけます。
Q. 無料ですか?
A. はい、無料です。
会員登録やメールアドレスの入力も不要で、どなたでもダウンロードしてお使いいただけます。
ダウンロードはこちら▼
おわりに
学習者管理は、教える内容そのものと同じくらい、フリーランス日本語教師の仕事を支える土台だと感じています。
ここが整うと、学習者一人ひとりへの対応も丁寧になると感じています。
この学習者管理シートが、少しでもお役に立てることを願っております。

