日本語を教えていると、「授業の導入や雑談で使えるアイディアが欲しい!」と感じることはありませんか。

楽しいレッスンにしたいと思い、色々なサイトや情報を探している人も多いのではないでしょうか。

日本語教育のために作られたわけではないサイトでも、使い方を工夫すれば、授業や教材づくりでとても役に立ちます。

そこで、今回は、授業のアイディア・教材づくりに使える5つのサイトを紹介します。

それぞれ「どんなサイトか」だけでなく、「日本語教師として、どう使えるか」という事も例に挙げながらまとめました。

授業づくりや教材づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

【こんな人に読んでもらいたい】

  • 導入や雑談で使える素材を探している方
  • 日本語教育用ではないサイトを、授業にどう活かせるか知りたい方
  • リアルな日本語や日本の情報を、レッスンに取り入れてみたい方
やさしい日本語|おすすめ言い換えサイト&アプリ&本を一挙ご紹介・利用の問題点とは?
やさしい日本語|おすすめ言い換えサイト&アプリ&本を一挙ご紹介・利用の問題点とは?皆さん、「やさしい日本語」という言葉を聞いたことがありますか。 こちらのYoutubeの動画を見てみてください。 https:/...

1. むずかしい漢字図鑑


難読漢字のクイズ「むずかしい漢字図鑑」

むずかしい漢字図鑑は、海豚(いるか)や蜻蛉(とんぼ)など、読めたらすごい難しい漢字を3,000問以上、ヒントと意味つきで集めた無料のクイズ図鑑です。

動物・魚・野菜・果物・国名・食べ物など25のテーマと、初級・中級・激ムズの3つのレベルに分かれています。

答えを見るボタンやヒントがあり、読み方と意味が確認できます。印刷用のテストや、「世界一難しい漢字」を紹介するページもあります。

使い方例

例えば、下記の様な使い方ができるかと思います。

①上級者との雑談・ゲームに使う

「日本人でも読めない漢字がある」と知るだけで、漢字への苦手意識が少し軽くなります。クラスで漢字クイズ大会をするのも楽しいです。

②既習語彙の復習に使う

「食べ物」「野菜」「体」などのテーマ別ページがあるので、授業で扱ったテーマに合わせて、「この言葉は、実はこんな漢字でも書くんです」と紹介できます。

③教師自身の知識アップに使う

学習者さんから「この漢字は何ですか?」と聞かれたとき、調べる場所として覚えておくと安心です。

紹介されている漢字は日常で使わない言葉も多く、「お楽しみ・話題作り用」として、取り入れて見るのがおすすめです。

初級者には、かなり難しいと思いますので、アクティビティの一つであったり、楽しんで行える方法を考えて、使ってみて下さい。

2. NHK for School

NHKのEテレで放送されている教育番組と、約1万本ともいわれる動画クリップを見られるサイトです。

もともとは日本の小中学校の授業用なので、1本が短くまとまっていて、授業のどの場面で使うとよいかの案も紹介されています。

「先生モード」にすると、指導案やワークシートなどが確認できる番組もあります。「にほんごであそぼ」など、日本語そのものを楽しめる番組もあります。

NHK for School

使い方例

例えば、下記の様な使い方ができるかと思います。

①授業の導入に使う

短い動画を見せて、「何と言っていましたか。」「何をしていましたか。」などと質問すれば、リスニングの練習になります。

②日本の文化・学校生活の紹介に使う

給食・掃除・運動会など、日本の学校文化を知るきっかけになります。

③やさしい日本語の説明の参考にする

子ども向けの番組は、難しい内容を簡単な言葉で説明する工夫がたくさんあるので、教師自身の「説明力」を磨く教材としても使えます。

動画の速度や語彙は、日本人の子ども向けです。

そのまま見せると初級者には難しいので、字幕・一部だけ視聴・視聴前の語彙説明などの工夫が必要です。

動画の利用範囲(授業での利用可否など)は、サイトの利用案内を確認してください。

3. 地理院地図

国土地理院が提供する、無料の電子地図です。

ふつうの地図のほか、航空写真、昔の地形図、土地の高さを色で示した地図などを重ねて見られます。

地理院地図

使い方例

例えば、下記の様な使い方ができるかと思います。

①日本を知ってもらう

日本語学習者さんの中には、あまり日本列島の事を知らない人もいます。

日本地図を見て、北海道や沖縄、東京や大阪などの位置を伝える時に活用できます。

②行ったことのある場所紹介

自分が行った事のある場所が、どこなのか地図を見る事で俯瞰して把握でき、また、グループレッスンの場合は、他の学習者さんに、場所の説明や紹介をする事もできます。

この地図では、ある特定の場所の道案内の練習には少し難しいかと思います。

広域の地図から見せて、必要に応じて拡大していく使い方がおすすめです

4. 明治安田生命「生まれ年別の名前調査」

生命保険会社の明治安田生命が、毎年発表している「生まれ年別の名前調査」のランキングです。

保険に加入している人のデータをもとに、男の子・女の子別の人気の名前を、生まれた年ごとに見られます。

大正元年(1912年)からの長い期間のデータがあり、1989年以降は毎年、その年の加入者を対象に調査が行われています。漢字だけでなく、読み方のランキングも発表されています。

明治安田生命HP

使い方例

例えば、下記の様な使い方ができるかと思います。

①同世代のランキングを知れる
学習者さんの生まれ年のランキングを見せ、自分と同じ年の日本人に多い名前を知ることができます。

②世代による名前の変化を知れる

名前を見て、日本人なら相手がどのぐらいの年齢の人か分かったりしますよね。

昔のランキングには「正一」「清」「三郎」のような名前が並び、女の子では「幸子」「文子」のように「〜子」が多く見られます。

今の名前と見比べると、「昔はこういう名前が多かった」「最近はこういう漢字が好まれる」という話ができます。

③名前の漢字の読み方を知ろう
「大翔」のように、同じ漢字でも「ひろと」「はると」「やまと」と複数の読み方がある名前があります。

日本人でも名前を見ただけでは読めないことがあると伝えると、学習者さんもびっくりするかもしれませんね。

④名前に使われる漢字の意味を考える
「陽」「蓮」「結」「愛」など、よく使われる漢字を取り上げて、意味やイメージを一緒に考える活動ができます。学習者さんが自分の名前を漢字で表すとしたらどんな字がいいかなど、考える課題にもつなげられます。

調査の対象は、同社の保険加入者とその契約情報です。日本全体の統計ではないので、「調査の対象者の中で多かった名前」という言い方をするのが正確です。

1912年から1988年までのランキングは、1989年の時点の加入者を対象にしたものです。その年に生まれた全員を調べたわけではありません。

名前は個人的な話題です。学習者本人の名前や、名前にまつわる事情には、配慮して扱ってください。

5. ハザードマップポータルサイト

国土交通省が運営する、災害リスクを確認できるサイトです。

自分の住んでいる場所の洪水・土砂災害・津波などの危険性を地図で確認できます。市区町村のハザードマップへのリンクもあります。

ハザードマップ

使い方例

日本で災害に遭遇した際、どうすればいいのか、自分の住んでいる地域は、どんな災害の想定がされているのか、知るきっかけにもなります。

①防災の授業

「洪水」「避難」「警報」といった語彙は、日本で生活する学習者にとって重要です。

②「自分の家は安全?」を調べる

学習者が自分の住所周辺を調べ、結果を日本語で発表すれば、実用的な練習になります。

③災害時の情報の読み取り練習

避難情報や地図の記号の読み方を、生教材として使えます。

災害の話題はデリケートです。

災害の経験がある学習者さんもいるので、配慮が必要です。

また、必要以上に恐怖感を与えない様にもしましょう。レッスンで行う際は、先生の気持ちは入れずに、淡々と行った方が良い場合もあるかと思います。

教師が使うときの3つのコツ

日本語教師・オンラインレッスン・ヨーロッパ

ここまで、5つのサイトを紹介しましたが、どれも日本語学習者さんのためのサイトではありません。そこで、使用する際は、次の点を考慮してみて下さい。

  1. 学習者のレベルに合わせて「見せる範囲」を決める:サイトのすべてを見せる必要はありません。一部だけを使うなど、先生が範囲を決めるのもアリです。
  2. 教師自身の調べものにも使う:授業で見せなくても、先生自身の知識の補強に使えます。
  3. 利用規約を確認する:特に教材として配布したりする場合は、各サイトのルールを必ず確認してください。

まとめ

日本語教育のために作られていないサイトは、使い方次第で、レッスンに「リアルな日本語」「リアルな日本」を持ち込める大切な素材です。

今回紹介した5つのサイトは、すべて無料で使えます。気になった方は、次回のレッスンで使ってみてください。

【日本語独学におすすめ】レッスンでも使える!無料のオンライン学習サイト13選
【日本語独学におすすめ】レッスンでも使える!無料のオンライン学習サイト13選日本語教師をしているとよく学習者さんから聞かれるのが、「自習するのにおすすめのサイトはありますか」という質問です。 日本語教師にな...