今回は、「た形」を使った、た形+ことがあります・~たり、~たり・ほうがいいです3つのフレーズの導入や練習を紹介します。
記事の最後では、イラストを無料でダウンロードできますので、宜しければ、レッスンでお使い頂ければと思います。
導入や練習は、学習者さん背景に合わせた内容で行っていただきたいと思っております。
ここで紹介する内容が、全ての学習者さんに合った内容とは限りませんので、ご自身の担当されている学習者さんの背景を鑑みて、ご判断いただきますようお願い申し上げます。
【こんな人に読んでもらいたい】
- ない形のフレーズの導入や練習で困っている人
- これから初級のレッスンを行う予定の人
- ないの練習で使えるイラストが欲しい人
対応する課
| 文型 | みんなの日本語 | げんき (GENKI) |
| 1. 〜たことがあります | 第19課 | 第11課 |
| 2. 〜たり、〜たりします | 第19課 | 第11課 |
| 3. 〜たほうがいいです | 第32課 | 第12課 |
1. 〜たことがあります(経験)
① できるようになること
自分の過去の経験や、人生の思い出について話したり、相手に尋ねたりできるようになります。(例:旅行、食べたもの、趣味の体験など)
② 導入例
先生や学習者さんの経験を引き出して導入できると良いです。
【例】
教師: (富士山の写真やイラストを見て)これは、なんですか。
学習者: 富士山です。
教師:そうですね。行きましたか。
学習者:いいえ、行きません。
教師:登りたいですか。
学習者:うーん、登りたいです。でも、大変です。
教師:そうですよね。私は、去年行きました。富士山に登ったことがあります。
③ 練習例
Q&A練習
練習方法は色々ありますが、最初は「はい/いいえ」の答えだけでも、徐々に、答えに対する質問も加えていくと、会話が広がっていくかと思います。
【質問例】
「日本料理を食べたことがありますか」
→「はい、あります / いいえ、ありません」
「新幹線に乗ったことがあります」
→「はい、あります / いいえ、ありません」
→「どこに行きましたか。/新幹線に乗りたいですか」
「日本を旅行したことがありますか」
→「はい、あります / いいえ、ありません」
→「どうでしたか。/どこに行きたいですか/何をしたいですか。/どうして行きたいですか」など
イラストを使う
イラストを見ながら、質問し合うのも良いと思います。
【質問例】
- 京都に行ったことがありますか。
- 回転ずしに行ったことがありますか。
- カプセルホテルに泊まったことがありますか。など
④ ポイント
「〜ました(過去形)」との違いを聞かれるときがあります。
「昨日、お寿司を食べました(単なる過去の事実)」と「お寿司を食べたことがあります(人生における経験)」の違いで混乱してしまう時があります。
「〜ました」は【いつ】したかが大切
「〜ました」は、過去の「特定の時間・タイミング」にそのアクションを行った、という「事実」を報告するときに使います。 そのため、「昨日」「先週」「さっき」などの時間を表す言葉(時を表す名詞)と一緒に使うのが自然です。
- 昨日、お寿司を食べました。
- 私は今まで、お寿司を食べました。(※いつの話か分からないので不自然)
「〜たことがあります」は【人生の経験】
「〜たことがあります」は、「生まれてから今までの人生の中で、その行動をした思い出・経験があるか」を問題にしています。
「いつ」したかは重要ではありません。極端に言えば、10年前でも、1年前でも、1回でもやっていれば「あります」になります。
そのため、「一度も」「今までに」「何度も」などの言葉と相性が良いです。
- 今までに、お寿司を食べたことがあります。
- 昨日、お寿司を食べたことがあります。(※「昨日」という特定の点に「人生の経験」を詰め込むことはできないので不自然)
2. 〜たり、〜たりします(動作の並列)
① できるようになること
休みの日や旅行中に行った複数の活動を、いくつかピックアップして説明できるようになります。
② 導入例
昨日・週末したことをたくさん言ってもらい、それを黒板(オンラインなら文字を打つなどして)書き、そのうち、2,3個をピックアップして文を作ると、自然な流れで導入できるかと思います。
【例】
教師:週末、何をしましたか。
学習者:寝ました。
教師:それだけですか。
学習者:ジムに行きました。
教師:それから、何をしましたか。
学習者:昼ご飯にパスタを作りました。
教師:他に、何をしましたか。
学習者:Netflixを見ました。
教師:それから?
学習者:散歩しました。あ、スーパーに行きました。
教師:(学習者さんが言ってくれた黒板の中から2,3個ピックアップして)
週末、ジムに行ったり、パスタを作ったり、Nitflixを見たりしました。
今までの経験上、最初からたくさん、週末などにしたことを言ってくれる人は、少ないので、先生が「それから?」「他には?」とちょっとしつこいぐらい聞いていくと、学習者さんも、「あ、たくさん言うんだ」と感づいてくれて、徐々に色々言ってくれることが多いです。
③ 練習例
文作成①
イラストを見て、「~たり、~たり」の文を作ってもらう練習をします。
【例】
- 土曜日に、買い物をしたり、カフェで友達と話したりしました。
- 今度の週末、掃除をしたり、洗濯をしたいします。
- 旅行に行ったとき、写真を撮ったり、お寺を見たりしました。
文作成②
例:( 音楽を聞く / 本を読む )➔ 日曜日は、音楽を聞いたり、本を読んだりします。
第1問:( 映画を見る / 買い物をる )
昨日は、____________________。
(答え:映画を見たり、買い物をしたりしました)
第2問:( 写真を撮る / お土産を買う )
京都で、____________________。
(答え:写真を撮ったり、お土産を買ったりしました / します)
第3問:( ラーメンを食べる / ビールを飲む )
北海道で、____________________。
(答え:ラーメンを食べたり、ビールを飲んだりしました / します)
会話練習
先生がお題(テーマ)を出して、それに対して「~たり、~たり」で答えてもらいます。
テーマ例:1ヶ月休みがあったら何をしたいですか。
「〜たいです」と組み合わせて練習ができます。
「旅行に行ったり、たくさん寝たりしたいです」など、ワクワクする未来の話なので会話が弾みやすいです。
「~たり、~たり」の文を作って終わりではなく、その後、自由会話練習の様な感じで、色々話を膨らましても面白いと思います。
④ ポイント
「〜て、〜て」の違いについて、聞かれることがあります。
「〜て」を先に習うため、「映画を見て、買い物をします」と言いがちです。
〜て: 動作の順番が固定(映画 ➔ 買い物 の順)。
〜たり: 順番は関係なく、他にもいろいろした中から2つを代表で選んでいる。
この違いを伝えると良いです。
また、最後の「します」の時制(します / しました)で文全体の過去・現在が決まります。
3. 〜たほうがいいです(助言・提案)
① できるようになること
体調が悪い人や、困っている人に対して、親身になって具体的なアドバイスや提案ができるようになります。
尚、「~ほうがいいです」は「ない形+ほうがいいです」も一緒に勉強する事が多いかと思います。
② 導入例
先生が演技をしても良いですが、恥ずかしい方や、オンラインレッスンで伝わりずらい場合は、イラストなどを用いても良いです。
【導入例】
教師:この人、何をしていますか。
学習者:仕事をしています。でも、元気じゃないです。
教師:そうですよね。熱がありますね。
学習者:はい。今日は、仕事は終わりです。家に帰ってください。
教師:そうですね。家に帰ったほうがいいです。
イラストを見れば、体調が悪い事が分かるので、学習者さんよっては、すぐに「家に帰ります」「今日は、仕事をしません」など「~た/ない ほうがいいです」につなげられるフレーズを言ってくれたりもします。
③ 練習例
アドバイス
「~たほうがいいです」を使って、色々なアドバイスができるテーマで話すと楽しいかともいます。
この際、どうしてそれが良いのか、「~ので」「~から」を使って理由も言ってもらうと、より長い会話ができます。
【テーマ例:旅行】
- 傘を持って行ったほうがいいです。雨が降るかもしれませんから。
- 熱ができるかもしれませんので、薬を持って行ったほうがいいです。
- 飛行機は疲れるので、スリッパを持って行ったほうがいいです。
- 人がたくさんいる所では、バックを前に持ったほうがいいです。危ないですから。

【テーマ例:スマホが壊れました】
- 携帯ショップに行ったほうがいいです。新しいスマホをすぐに買えますから。
- 時々、バックアップしたほうがいいです。データがないと困りますから。
- 強いカバーを付けたほうがいいです。
- (ない形の場合)危ないので、触らないほうがいいです。
- (ない形の場合)壊れているので、オンにしないほうがいいです。

④ ポイント
なぜ未来のことなのに「た形(過去)」を使うの?という質問をされることがあります。
「これから病院に行く」という未来の行動なのに、なぜ過去形を使うのか。
これは「もしそれを完了させた(やった)と仮定したら、その方が良い状態になりますよ」というニュアンスが含まれているためです。
また、「ない形+ほうがいいです(例:無理をしないほうがいいです)」も使う事ができます。
無料イラスト
この記事で紹介した3つのフレーズの練習で使えそうなイラストをパワーポイントにまとめています。
下記からダウンロードできますので、宜しければお使いください。
イラストは全てAIで作成しておりますので、著作権フリーです。編集・修正等アレンジ自由です。
※このイラストの販売はお控えください。
